24 February 2008

日本の医療文化の持つ力

 Dissertationのテーマを決めなくちゃぁいけない時期になってきた。
 相変わらず、どうしようかな、どうしようかなの繰り返し。
 Dissertationを仕上げるためには、8カ月しかない。8か月で研究をして書き上げないといけない。

 コースがスタートした時には、まぁ、8カ月もあればなんとかなるかなぁなんて思っていたけど、色んなものの考え方、理論、研究を見聞きすればするほど、これは大変なことになってきたぞと思うようになってきた。頭の中でこんがらがったままになっているものを、なんとかほどこうとするのだけれども、ほどいているそばから、またこんがらがった塊が出来上がっていく感じ。

 でも、なんとかして「日本の医療に根差す文化とその利点」を明らかにすることができないだろうか、何か、少しでも普遍的なものを見出すことができなだろうか、見いだせなくともその足掛かりとなるようなものを見つけ出せないだろうか、そんな風に考えている。
 そうすることで、バッシングの嵐の中でも踏ん張っている臨床家たちの功績を見出したい、「よしまた明日から頑張ろう」と思えるような要素が、きっとあるはずだ。

 「何で日本人は長生きなのか」

 この問いにこたえるには、あまりにも関連する分野が多くなりすぎて、とてもじゃないけど始末に負えるものではない。よく言われるのは食生活が素晴らしいからだということ。けれども、日本で長く行われてきた独特の医療システムがきっと何らかの形で貢献しているに違いないと思う。
 欧米の規定するシステム論と比較して、Managementの分野では日本の医療システムに当てはまらない部分が本当に多いのだけれども、ひるがえって、そうした欧米のシステムにはないものがあるからこそ、だからこそ今のOutcomeにつながっているんじゃないだろうか。

 日本人はとても真面目で、勤勉だし、仕事がとても丁寧だ。 これは、本当によく耳にする。
 Managementを扱っている研究者で親日派の方たちからは、特によく言われる。

 製造業でのmanagement手法まで確立されたものではないにしても、日本の医療の現場で医療従事者によって日々おこなわれている要素の中に、日本の医療を支える何かがあるはずだとおもう。
 
 でも、研究するとなると、何か非常に範囲の狭い、かなりSpecificなResearch questionに落とし込まないといけない。 さて、それをどうするか。。

 感覚的にぼんやりとしているものを、いわゆる科学的な研究手法に落とし込むという作業。
 本当に、なんて難しいんだと泣きたくなってくる。
 たとえ非常にSpecificなものを明らかにしたとて、とてもそれを一般化することは難しい。
 けれども、「それが知を積み上げるということなのだよ」という教授の言葉を支えに、前に進もうと思う。
 

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