29 October 2008

Organic Food

 UKに来てからしばらくは、とにかく食費を安く!と思って、スーパーでもとにかく安いものを!と買っていました。
 が、一度Organicのmilk(こちらには、牛乳、スキムミルク、スキムと牛乳のハーフ&ハーフという3種類があります)を買ったら、断然おいしい!

 で、それからは、なるべくOrganic foodを買うようになりました。
 値段は大体10%上乗せくらいになりますが、自分の体への投資だと思えば安い!?

 UKでは普通のスーパーマーケット(Tesco, Marks&Spencer, Sainsburyなど)でも、たくさんの種類のOrganic Foodを扱っています。
 乳製品、精肉、野菜、果物、パスタ、パン、ワイン、お菓子などなど。
 パスタやパンでは、
 
 Organic foodのかなりの割合が、UK内の生産者からのもので、不必要なコスト(輸送費、貯蔵場所、冷蔵など)が省かれていると思われますし、どっちにしても地球にやさしそうです。

 検索してみると、UKにはSoil Associationという団体があり、1946年(第二次世界大戦の直後!)から活動をしているようです。
 このページには、UKの各スーパーマーケットがどれくらいOrganic foodを扱っているか、その障害となっているものは何か、などを分析してレポートしています。
 
 Shopping survey

 ここ数年で、Organic foodの売り上げが伸びているようです。
 地元で採れた旬のものを新鮮なうちに頂く、というのが、もっと広がって行ったらいいなと思います。

 以前住んでいた千葉の房総では、農家の軒先で採れたての野菜を買い、海岸線沿いの魚屋さんでは美味しい干物が安く手に入り、地元特産のお米を買うことができていました。 つくづく、そういう文化は大切にした方がいいようなぁと思います。生産者の皆様に、感謝感謝です。

26 October 2008

良く見る疾患、 各科専門医との関係

 今日でSummer timeが終了しました。
 ということで日本との時差が1時間のびたということですね。

 さて、現在私はGPとしてLondonで働いているわけなんですが、日本にいたときよりもはるかにバラエティーに富んだ症状を抱えた患者さんたちがいらっしゃっています。

 いわゆる風邪などの上記道炎の次に、最も多いのは、おそらく皮膚疾患。
 UKに来て、えらく乾燥した気候に、湿度の高い環境で育ってきた日本人の皮膚は負けてしまうようです。
 乾燥してるなーと思っているうちに、皮膚がカサカサしてきて、寝ている間などに首や足をかきむしって、気付いたら湿疹になっていたり、悪くするとトビヒのようになってしまい、「なかなか治らない」と、クリニックにいらっしゃいます。

 多くの方は、ステロイドとがっちり保湿剤を使ってもらう事で良くなりますが、もともとアトピー性皮膚炎をもっているような方は、なかなか湿疹がよくなりません。
 入浴後の保湿剤でも改善しない時には、バスタブに入浴用オイルなどを使ってもらいます。

 次は、尿路感染でしょうか。
 女性の膀胱炎症状を訴えて来られる方が、実に多い。そして、培養では、Amoxicillin耐性のE.coliが半数ほどを占めています。
 日本では、患者さんが泌尿器科に行っていたからなのか、あまり患者さんの数として多いように感じませんでしたが、この数週間はおそらく毎日診察している気がします。
 これも、乾燥による体の脱水も影響しているのかもしれません。
 多くは女性なので、この機会にPap smear(子宮頚がん検診)を勧め、Safer sexについてなども話をします。
 また、閉経後の方で繰り返すような方には、Estrogen creamなどの代替療法を紹介しつつ、性交痛や不正出血の有無、腹圧性尿失禁の有無などについても話をしていきます。
 性にまつわることや婦人科のことも、話を勧めていくうちに患者さんの方からどんどん質問が出てきます。「こうした話はタブー」と思っているのは、医療者側なのかもしれません。
 
 さらには、外耳炎。これも、日本なら耳鼻科に行くので、内科のクリニックで良く見るものではなかった気がします。
 点耳薬で改善する人が多い中で、「毎日耳かきしないとだめなんです!」という方が意外に多く、かなり繰り返しています。

 こうした、いわゆるマイナー科の患者さんが多いです。
 他にも、打撲や骨折、捻挫なども多いですね。
 こちらに来て、「家庭医ってかんじー」と思うことが多いです。

 そんな中で、治療に反応がいまいちな場合、あるいは、重症で専門治療が必要と判断した際には、各科の専門医に紹介になります。
 私のいるクリニックはPrivateなので、Private Hospitalの各科専門医を紹介することになります。多くの方は、旅行者保険に入られているので、ほぼカバーされているようです。
 NHSの専門医の紹介であれば、おそらく数カ月は待つことになるであろうものでも、1-2週間で診てもらえます。
 ちょっと難渋なのは、紹介状を英語で書かなきゃならないことですが、、、

 UKの作法なのか、あるいはPrivate Hispitalの専門医だからなのか、紹介をするときちんと報告書が帰ってきます。最初の報告書には、患者さんの既往から現病歴、診察での所見、そして今後の方針が書かれています。
 しかも、ほとんどの先生方は、診察の度に患者さんの状態や症状の変化、方針の変更、手術記録などを報告してくださいます。

 これが、実に勉強になる。自分の振り返りには、もってこいなのです。

 自分の見立てや処置は正しかったか
 患者さんがどのような経過をたどるのか
 どういった身体所見をとるべきだったのか
 そして
 さまざまな症状や状態を英語で記載するときの実例として参考になるのです。

 こうした各科専門医からの詳細にわたる報告が受けられるというのは、Primary Careを担っていく上での重要な点でもあります。だって、その後どうなったのか、本当に気がかりですし、また次に同じような患者さんに出会った時に、教訓が生かされます。

 UKでは、GPのクリニックが、地域で暮らす方の最初に足を運ぶ医療機関として定められているため、完全なかかりつけ制度になっています。ですから、専門医でどのような治療が行われ、どのような経過をたどったのかをGPが把握できるように報告書を書くことが、礼儀なのかもしれません。

 日本では、各科専門医に紹介すると、患者さんが戻ってこなくなることが多かったように思います。それは、専門医でもかかりつけ医として継続的に治療することが日常であり、また、患者さんの専門医志向がそうさせているのかもしれません。
 ただ、Primary Careを担うものとしては、日本でも、経過のすべてにわたって詳細にわたる報告書が専門医から届く制度が整備されたら、患者さんとも、各科専門医とも、非常に良好な関係が作れるのではないかと思います。
 それには、報告書を書く時間、というのを確保できるような働き方を作り出さないといけないですね。

 日本でも、総合医・家庭医を専門医として確立すべく、厚労省の様々な審議会で議論が重ねられ、医学会も動き出しています。
 厚労省では、医療における安心・希望確保のための専門医・家庭医(医師後期臨床研修制度)のあり方に関する研究班で議論が始まりました。
 他にも、以下の審議会などで、家庭医に関する資料を読むことができます。

 「安心と希望の医療確保ビジョン」第6回会議議事録
 第5回 医道審議会医道分科会診療科名標榜部会
 医師の需要に関する検討会
 
 また、プライマリケアを担う医療者の学会である、日本家庭医療学会日本プライマリ・ケア学会日本総合診療医学会は、数年以内に合併をするために議論が重ねられています。
 専門医制度を生み出すだけでなく、患者さんと各科専門医との良好な関係を築き、患者さんと各科専門医から信頼されるに足る能力を身につけ、それを研鑽し続ける制度も、同時に必要になってくるように思います。
 専門医を作りました、はい、終了 な、わけではありませんから。

 日本には、日本の医療文化に合ったPrimary care専門医制度が必要でしょう。
 世界には、家庭医を専門医に位置づけて、長い歴史をもった国々がたくさんあります。成功も失敗も、学ぶことができます。日本の家庭医制度の確立のために、UKから沢山持ち帰れるような学びを、今後も続けていきたいです。

23 October 2008

Jack-O'-Lantern!

 そろそろハロウィーンですね。
 ショーウィンドーが、もっとハロウィーンぽくなるのかなぁと思っていましたが、そうでもないみたい。 ちょっと残念。 クリスマスに期待。

 さて、いつか「カボチャ提灯:Jack-O'-Lantern」を作りたいと思っていたのですが、町中のスーパーに山ほどカボチャが積み上げられて売られていたので、チャレンジしてみました!

 

 いかがでしょう? 「あははははー」って聞こえてきそう。

 日本の食用カボチャとは違って、Lantern用のカボチャは中がスカスカで、スプーンで簡単に中身を削れます。

 <作り方!>

1)形の良い、顔がちゃんと作れるくらいのカボチャを選ぶ。

2)小さなナイフなどでヘタのところを丸くくりぬく。 あとで蓋にできるように、空気穴をあけておく。

3)中のタネとワタ(ふわふわした種の周りのもの)を、スプーンを使って壁からこそぎ落とす。

4)壁の厚さが1cm位になるまで、ゴリゴリと削りだす。

5)ボールペンなどで、顔の輪郭をちょっと小さめに書く。

6)慎重に、顔の輪郭をナイフでくりぬく。

7)小さなローソクを入れて、はい!出来上がり!

 このカボチャは、クリニックの正面にでも飾ってもらうことにしましょう!
 んー、1つじゃさみしいから、家族分、あと2つ3つ作ろっかなー。

17 October 2008

学術的情報の探し方

 大学院での課題が出たときに、一番最初に取り掛かるのが、手元にある教科書の該当しそうな項目を読んでみること。
 そのあと、そこのBibliographyやReferenceから、関連しそうなものをピックアップして、さらに本や論文を読んでみる。
 さらに、その論文のreferenceを孫引きして、、、というのが、だいたいのパターン。
 この孫引きでは、年代をさかのぼる感じでテーマにそった論文を探すことができる。
 たとえば、何かの理論体系について知りたいときには、その理論がどんな変遷で現在の形になったのか、というようなことが論文をたどっていくことで見えてくる。

 では、最新のものにたどりつくにはどうするか。
 論文は、多くのものがInternet上で参照できる。 多くのJournalではAbstractのページに、その対象になっている論文を引用(Citation)した論文を探し出すリンクがあるので、これであれば、最新のものに近い論文にたどりつくことができる。
 ただし、Subscribeが必要なこともあり、UKであればNHSや大学に所属していないと、多くの論文を読めないのがちょっと欠点かも。
 
 医学関連で有名なデータベースは PubMed 
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/
 その中でもPubMed Centralはフリーで読める。
http://www.pubmedcentral.nih.gov/
 マネジメント系では Emerald があります。
http://emeraldinsight.com/

 いくつも論文を探し出していくと、テーマによってよく掲載されるJournalが決まってくるので、それをBookmarkしておくことも、Tipsかも。 さらには、そのテーマの権威である研究者が分かってくる。

 そこで、今度はGoogleの出番。
 その中でも、Google scholarは、非常にありがたい検索エンジン。
 Googleのメインページの左上に、moreというリンクがあるので、その中からScholarを探すとどの言語のGoogleでも見つかるはず。
 Google Scholarは、学術論文のみを検索してくれるので、検索時間が短縮できる。

 キーになっていそうな論文の題名で探すと、その論文をCitationしている論文がずらりとならぶし、権威である研究者の名前を入れると、その人が書いた論文の一覧が参照できる。あるいはキーワードで探せば、テーマの周辺にある研究の傾向も見てとれる。

 それでもいま一つテーマについてよくわからない時、あるいは、どこから手をつけたらいいか皆目見当がつかない時には、キーワードに続けて拡張子を付けてGoogleで探すという手があります。

 拡張子とは、パソコンで利用するファイルの特徴を示す英語3文字程度で表わされる記号のこと。
「.pdf」:Adobe Acrobatで作成されたPDFファイル
「.doc .docx」:Windows Wordのファイルやほかのテキストエディティングのできるファイル
「.ppt .pptx」:Windows Powerpoint、Powerpoint 2007で作成されたファイル
「.xls .xlsx」:Windows Excel, Excel 2007で作成されたファイル
などがあります。

 たとえば、Healthcare managementというキーワードに、pptをつけてGoogleで検索すると、Internet上にUploadされている、Healthcare managementという単語を使ったPowerpointのスライドが探し出せます。 スライドを読むことで、誰かのレクチャーを参照することができる、という具合。Uploadしてくれている方に、感謝。
 さらに、pdfで検索をすると、学術論文やスキャンした資料、PowerpointをPDF形式で保存したものが検索できます。これなら、フリーで読める論文がすぐに探せます。

 かなりの情報がInternetで手に入り、どうしても本を参照したいときだけ図書館に行くというので、大学院での課題はこなすことができました。

 まぁ、Internetがないと、どうにもならない、ともいえますが、、
 Internetがない時代は、論文を探すというだけでも、どれ程の労力が必要だったんだろう。。 
 逆に、Internetでこれだけ探すことができるので、「先行論文・関連資料がない」と、そう簡単に言えない、という状況になってきていますね。

16 October 2008

使えるサイト - Get Body Smart

 現在の診療所では、GPとして働いていて、必要に応じてPrivate Hospitalの専門医に紹介をします。その時に問題になるのが、紹介状を英語で書かなきゃならないということ。
 ちゃんとした紹介状なんて、英語で書いたことがないので、毎回時間がかかる、かかる。。

 特に、解剖学的用語や症状を説明するのに適した言い回しというのが、なんとも難しい。
 
 で、いろいろ探していたら、こんな素晴らしいサイトを見つけました。(英語です)

 Get Body Smart
 http://www.getbodysmart.com/

 もう、鳥肌がたつほど感動的です。

 どの筋肉がどのような動きを担うか、どの神経がどの領域を支配するかなど、実にわかりやすい。しかも、動画で動きを見られるので、非常に頭に入りやすい。

 こんな風に解剖学を勉強したら、もっと頭に入っていただろうにと思います。

 患者さんに説明するときに、こんな動く動画を見せながら説明したら、非常にわかりやすいだろうなぁ。

 ほんとお勧めです。

 

04 October 2008

社会的ジレンマ 「環境破壊」から「いじめ」まで

 Dissertationで利用した文献をご紹介します。

 これまた、いつもお世話になっている N先生の「書庫」から選び抜かれた良書です。
 
社会的ジレンマ―「環境破壊」から「いじめ」まで (PHP新書)
社会的ジレンマ―「環境破壊」から「いじめ」まで (PHP新書)
  • 発売元: PHP研究所
  • 価格: ¥ 693
  • 発売日: 2000/06
  • おすすめ度 4.0


 著者の 山岸 俊男 教授は、社会心理学に関して非常に多くの論文を書かれていて、社会心理学に関しての最先端の研究をしており、新しい理論を構築している人としてその世界では有名のようです。
 http://lynx.let.hokudai.ac.jp/members/yamagishi/index.html
 何ともありがたいことに、Webから論文を無料でダウンロードできるようになっています。
 あー、dissertationを書いているときとか、もっと早く気付いていたらと、後悔、、

 さて、この本の副題は「環境破壊」とか「いじめ」とか、キャッチーなコピーになっていますが、中身としてはそれよりも、社会のなかで(山岸先生の研究テーマである)「信頼」というものが、どのように働いているのか、それを「ゲーム理論」などから発展した理論でもって解説されています。
 一般向けに書かれている本ですので、非常にわかりやすく、また、教育の限界あるいは目標の設置について、新たな視点を得ることができると思いました。

 キーワードとしては、
 ・みんなが主義
 ・社会的交換モジュール
 ・本当のかしこさ
 ・かしこい非合理性
 ・コミットメント
 ・互恵性原理:社会的交換ヒューリスティック
 ・感情

 読み進めていくと、コミュニティの一員として、管理者として、教育者として、家族の一員として、家庭医として、自分個人としてなど、いろいろな役割の中でこれまで自分がとってきた行動について、何か胸につかえていたものがすっきりしました。

 また、管理者として組織行動や文化、パワーバランスなどを分析する時や、認知行動療法を勧めていく家庭医として、あるいは、後輩をサポートする教育者として、自分の中に何か大きな変化をもたらしてくれそうな「理論」が、ここにあるような気さえしてきます。

 あっちこっちのバラバラな理論達の、大きな枠組みが少しずつ重なり合っている部分の一つが、この山岸先生の提唱されている新しい社会心理学的理論の一つなのかもしれません。

 面白いですよ。

 しかし、N先生の「すごい本を探す嗅覚」には、いつもため息が出るほど感動します。
 また、よろしくお願いします!

 

 

UKでの地域差ーマイバック利用率

 ManchesterからLondonに移ってきて2か月が過ぎました。
 Londonは英国第1の都市、Manchesterは、Birminghamと毎年のように第2位と第3位を取り合っているような感じです。
 
 明らかに、London, Manchester, Birminghamは雰囲気が違います。
 
 LondonとManchesterで圧倒的に違うのは、町の清潔さ。

 路上にゴミが舞い散っているのは、まぁ、UKならどこでもそうなのですが、Manchesterは本当にびっくりするようなものが路上に落ちていました。

 たばこの吸い殻、お菓子の包み紙、新聞紙、ビールの空きビンとか、「ひえー」って思うのは、フライドチキンの骨とか、サンドイッチの食べかけ。片っぽだけの靴とか、どっかのBarのガラスコップ(まだビールが入ってたりする)とか、まぁ、とにかく凄い。
 Londonは、確かにたばこの吸い殻とか新聞紙は舞い散ってますが、こまめにお掃除の人が掃除をしています。デッキブラシで集めて、スコップを「ちりとり」代りにして集めてるの。あの、ディスニーランドとか、そういうところで使ってるような「ちりとり」じゃないのよね。

 さらに「違うなー」って思ったのが、リサイクルバックの普及率。

 Manchesterで、自分で袋を用意している人って、本当に見かけなかった。
 実際に、お店の前でObservationしたわけじゃないからはっきりは分からないけど、明らかにLondonの人たちの方が、お店に買い物袋を持参している人が多い気がする。
 年配の人だけじゃなくて、男性とか、学生とか、こじゃれた格好をしているキャリアウーマンぽい人とかも、おもむろにバックから手提げ袋とか、再利用のビニール袋をとり出す。

 大きなショッピングセンターとかだと、日本で年配の方が押したり引っ張ったりして持っているような、キャリアーのついた大きなバッグとか、お店でプロデュースしている大きな買い物袋とか、自分で作ったのかなぁって思うような、おっきな布製の袋とかをもってきてたりする。

 Tescoとかのスーパーでは、買い物袋を持参してビニール袋をもらわないようにするとポイントがつくので、私もせっせと貯めています。 

 私の場合は、仕事帰りにお店によることが多いので、カバンの中に風呂敷を持ち歩いてます。重くないしかさばらないしね。
 お店では、空いたかごに風呂敷をひいて、レジを済ませた商品をそこへ入れ、きゅっと縛って持って帰ります。(雨が降ったらかぶったりしてるけど、日本人の友達から「それはやめろ」と言われちゃいました。)

 レジのところで、ぶわーっと風呂敷を広げると、結構皆さんびっくりします。
 なんじゃそりゃ、みたいなね。

 で、最後に、端をきゅっと縛って、さっさと持ちあげちゃうと、「It works!」とか「Nice!」とか言ってもらえちゃったりします。 
 ちょっと、誇らしかったりします。でしょ?でしょ?みたいな。

 Londonに来てから風呂敷について、ものすごくよく聞かれます。たった2ヶ月で、5回は聞かれてる。あるおばさまは、バスの中までついてきて「それって、どこで買ったの?」とか「どんな構造になってるの?」とか、「汚れたら洗ったらいいのよねぇー」なんて会話になりました。思わず、あげちゃいそうになりましたけど、餞別でもらったものなので、ごめんなさい。
 なので、「カーテン生地みたいなしっかりした布を四角にして、端を縫ったらできますよ。私の国では昔から使ってるものなんです」って、教えてあげます。あら、これって、商売になる?みたいに思ったりしちゃいますが(笑)

 でも、Londonでも、ど真ん中のCityなんかでは、あまりマイバックはみかけないです。
 お昼時などは、みんなお弁当を買い出しに行くのですが、サンドイッチとコーヒーだけなのに、紙袋に入れてもらってそのままゴミとして捨てちゃいます。 なので、お昼時には公園のゴミ箱は、紙袋でいっぱいになります。もったいないなー。(ま、道端にそのまま放置するんじゃなくて、ゴミ箱に捨てるだけ「まし」ですけどね。)

 なんか、こう、ゴミを減らす方法って、もうちょっとあってもいいと思うんだけどなー、なんて思いながら、タンブラー持参したり、袋を持参したりしながら、(一人でやっててもちょっとむなしくなったりしますが)、生活してるって感じでしょうか。

02 October 2008

「健康にいい生活」っていのは、やっぱいいらしい - BMJから

 このところ、Londonはぐっと冷え込んできて、皮ジャンでも寒くなってきました。
 そろそろ手袋が必要かも。
 「ちょっと風邪気味で―」っていう患者さんも増えてきました。
 はやいとこ、インフルエンザのワクチン接種を始めたいところです。

 さて、現在British Medical Association (BMA)に登録しているので、毎週British Medical Journal (BMJ)が送られてきます。General Practitioner (GP)として登録しているので、GP versionが送られてくるんです。すごいですねー BMJって。
 それに加えて、American Academy of Family Physicians (AAFP)のジャーナルAmerican Family Physicianは月2回送られてきて、Family Practice Managementも月2回、で、Society of Teachers of Family Medicine (STFM)のFamily MedicineというJournalは2か月に1冊。
 そこへ、日本からもプライマリケア学会と家庭医療学会と、その他のマネジメント系学会からも雑誌が送られてきてます。
 っていうことで、どんどん読んでいないJournalが山積みです。

 医学は日進月歩、とは言い古された言葉ですが、目の前に具体的に雑誌が積みあがっていくと、いやぁーUpdateって大変ー(泣)って感じです。。
 二次資料をいかに使いこなすかが大事だなぁって、思います。

 この間までの人類科学とか社会科学系の、特に質的研究の論文を英語で読むのに比べたら、医学系の量的研究の論文は型が分かっているぶん、随分と読みやすく感じる。
 これは、先輩達に読み方を教えてもらったおかげ。感謝、感謝。

 それじゃぁせめてBMJとAFPだけは読破したいと思っても、いやー、当分無理そうだなぁ、こりゃ。。

 さて、本題。 最近の(BMJ)から。

Dam, R. M., Li, T., Spiegelman, D., Franco, O, and Hu, F. B. (2008). Combined impact of lifestyle factors on mortality: prospective cohort study in US women. BMJ. 337(7672). p742-745.
Available at:http://www.bmj.com/cgi/content/abstract/337/sep16_2/a1440

 印刷されているものよりWebバージョンのPDFの方が、詳しく書いてあります。

Objective To evaluate the impact of combinations of lifestyle factors on mortality in middle aged women.

Design Prospective cohort study.

Setting Nurses’ health study, United States.

Participants 77 782 women aged 34 to 59 years and free from cardiovascular disease and cancer in 1980.

Main outcome measure Relative risk of mortality during 24 years of follow-up in relation to five lifestyle factors (cigarette smoking, being overweight, taking little moderate to vigorous physical activity, no light to moderate alcohol intake, and low diet quality score).

Results 8882 deaths were documented, including 1790 from cardiovascular disease and 4527 from cancer. Each lifestyle factor independently and significantly predicted mortality. Relative risks for five compared with zero lifestyle risk factors were 3.26 (95% confidence interval 2.45 to 4.34) for cancer mortality, 8.17 (4.96 to 13.47) for cardiovascular mortality, and 4.31 (3.51 to 5.31) for all cause mortality. A total of 28% (25% to 31%) of deaths during follow-up could be attributed to smoking and 55% (47% to 62%) to the combination of smoking, being overweight, lack of physical activity, and a low diet quality. Additionally considering alcohol intake did not substantially change this estimate.

Conclusions These results indicate that adherence to lifestyle guidelines is associated with markedly lower mortality in middle aged women. Both efforts to eradicate cigarette smoking and those to stimulate regular physical activity and a healthy diet should be intensified.

 全米の看護師さんたちを対象にした、大規模Studyです。
 34歳から59歳の女性を対象に、健康に関する5つの要素(喫煙、肥満、運動、食事、アルコール)が死亡にどのように関連しているかというのを調査しています。

 リスクが低い、という定義は、
 喫煙:これまで喫煙歴なし
 肥満:BMI (Body Mass Index) 18.5-25.0
 運動:毎日、中等度の負荷で最低30分
 アルコール:1-15g/day 毎日1グラス位
 食事:1項目10点で合計70点で計算し、上位40%の集団を対象。以下の項目に近いほど10点。
    野菜(5品目/day)
    果物(4品目/day)
    ナッツ・大豆(1品目/day)
    魚・鳥肉対赤身の肉(4:1あるいは赤身の肉は2回/月以下)
    穀物線維(15g/day以上)
    トランス型不飽和脂肪酸(マーガリンとか:全エネルギーの0.5%以下)
    多不飽和脂肪酸(リノール酸、DHA)と飽和脂肪酸の割合(1:1)

 本文中には、全死亡数の28%がSmokingに関連、14%が肥満、17%が運動不足、13%が貧困な食生活、7%がアルコールを飲んで「いない」ということに関連していたとの記載あり。

 面白いのは、「酒は長寿の秘薬」っていうような結果。
 毎日アルコールを飲む人は、全く飲まない人に比べて、心血管による死亡率が低いらしい。
 ただし、浴びるように飲む人は、癌のリスクが上がる。
 総じて、少量から中等量のアルコールを飲んでいた人たちは、すべての死因でリスクが低くなったという結果。

 また、喫煙あり、肥満あり、運動不足、貧困な食事、ノンアルコールあるいは飲みすぎのいずれかの要素が増えれば増えるほど、死亡リスクは上がっていくという結果。

 運動不足だけど、Barでビールを毎日飲んでるからチャラになる、わけではない!
 残念でしたっ。

 どうも、Walter C. WillettとFrank B. Huが、この看護師さんたちを対象にした大規模Studyで栄養に関して注目して分析しているようです。

Hu, F.B., Stampfer, M. J., Manson, J. E., Grodstein, F., Colditz, G. A., Speizer, F. E. and Willett, W. C. (2000). Trends in the Incidence of Coronary Heart Disease and Changes in Diet and Lifestyle in Women. NEJM. 343(8). p.530-537.
 https://content.nejm.org/cgi/content/full/343/8/530?ck=nck

 ものすごく目新しい結果ではないし、「まぁ、そうだろうねぇ」っていう、非常に感覚的に納得してしまうような結果ですが、これまで以上に「食事」にもっと気を配って問診をしてみようかなと思いました。

 っていうか、自分の食生活&運動を猛反省。。 
 で、今日、スポーツクラブに入会して、桃、李、バナナ&ミックスナッツを買ってきました(笑)。