17 October 2008

学術的情報の探し方

 大学院での課題が出たときに、一番最初に取り掛かるのが、手元にある教科書の該当しそうな項目を読んでみること。
 そのあと、そこのBibliographyやReferenceから、関連しそうなものをピックアップして、さらに本や論文を読んでみる。
 さらに、その論文のreferenceを孫引きして、、、というのが、だいたいのパターン。
 この孫引きでは、年代をさかのぼる感じでテーマにそった論文を探すことができる。
 たとえば、何かの理論体系について知りたいときには、その理論がどんな変遷で現在の形になったのか、というようなことが論文をたどっていくことで見えてくる。

 では、最新のものにたどりつくにはどうするか。
 論文は、多くのものがInternet上で参照できる。 多くのJournalではAbstractのページに、その対象になっている論文を引用(Citation)した論文を探し出すリンクがあるので、これであれば、最新のものに近い論文にたどりつくことができる。
 ただし、Subscribeが必要なこともあり、UKであればNHSや大学に所属していないと、多くの論文を読めないのがちょっと欠点かも。
 
 医学関連で有名なデータベースは PubMed 
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/
 その中でもPubMed Centralはフリーで読める。
http://www.pubmedcentral.nih.gov/
 マネジメント系では Emerald があります。
http://emeraldinsight.com/

 いくつも論文を探し出していくと、テーマによってよく掲載されるJournalが決まってくるので、それをBookmarkしておくことも、Tipsかも。 さらには、そのテーマの権威である研究者が分かってくる。

 そこで、今度はGoogleの出番。
 その中でも、Google scholarは、非常にありがたい検索エンジン。
 Googleのメインページの左上に、moreというリンクがあるので、その中からScholarを探すとどの言語のGoogleでも見つかるはず。
 Google Scholarは、学術論文のみを検索してくれるので、検索時間が短縮できる。

 キーになっていそうな論文の題名で探すと、その論文をCitationしている論文がずらりとならぶし、権威である研究者の名前を入れると、その人が書いた論文の一覧が参照できる。あるいはキーワードで探せば、テーマの周辺にある研究の傾向も見てとれる。

 それでもいま一つテーマについてよくわからない時、あるいは、どこから手をつけたらいいか皆目見当がつかない時には、キーワードに続けて拡張子を付けてGoogleで探すという手があります。

 拡張子とは、パソコンで利用するファイルの特徴を示す英語3文字程度で表わされる記号のこと。
「.pdf」:Adobe Acrobatで作成されたPDFファイル
「.doc .docx」:Windows Wordのファイルやほかのテキストエディティングのできるファイル
「.ppt .pptx」:Windows Powerpoint、Powerpoint 2007で作成されたファイル
「.xls .xlsx」:Windows Excel, Excel 2007で作成されたファイル
などがあります。

 たとえば、Healthcare managementというキーワードに、pptをつけてGoogleで検索すると、Internet上にUploadされている、Healthcare managementという単語を使ったPowerpointのスライドが探し出せます。 スライドを読むことで、誰かのレクチャーを参照することができる、という具合。Uploadしてくれている方に、感謝。
 さらに、pdfで検索をすると、学術論文やスキャンした資料、PowerpointをPDF形式で保存したものが検索できます。これなら、フリーで読める論文がすぐに探せます。

 かなりの情報がInternetで手に入り、どうしても本を参照したいときだけ図書館に行くというので、大学院での課題はこなすことができました。

 まぁ、Internetがないと、どうにもならない、ともいえますが、、
 Internetがない時代は、論文を探すというだけでも、どれ程の労力が必要だったんだろう。。 
 逆に、Internetでこれだけ探すことができるので、「先行論文・関連資料がない」と、そう簡単に言えない、という状況になってきていますね。

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