04 October 2008

社会的ジレンマ 「環境破壊」から「いじめ」まで

 Dissertationで利用した文献をご紹介します。

 これまた、いつもお世話になっている N先生の「書庫」から選び抜かれた良書です。
 
社会的ジレンマ―「環境破壊」から「いじめ」まで (PHP新書)
社会的ジレンマ―「環境破壊」から「いじめ」まで (PHP新書)
  • 発売元: PHP研究所
  • 価格: ¥ 693
  • 発売日: 2000/06
  • おすすめ度 4.0


 著者の 山岸 俊男 教授は、社会心理学に関して非常に多くの論文を書かれていて、社会心理学に関しての最先端の研究をしており、新しい理論を構築している人としてその世界では有名のようです。
 http://lynx.let.hokudai.ac.jp/members/yamagishi/index.html
 何ともありがたいことに、Webから論文を無料でダウンロードできるようになっています。
 あー、dissertationを書いているときとか、もっと早く気付いていたらと、後悔、、

 さて、この本の副題は「環境破壊」とか「いじめ」とか、キャッチーなコピーになっていますが、中身としてはそれよりも、社会のなかで(山岸先生の研究テーマである)「信頼」というものが、どのように働いているのか、それを「ゲーム理論」などから発展した理論でもって解説されています。
 一般向けに書かれている本ですので、非常にわかりやすく、また、教育の限界あるいは目標の設置について、新たな視点を得ることができると思いました。

 キーワードとしては、
 ・みんなが主義
 ・社会的交換モジュール
 ・本当のかしこさ
 ・かしこい非合理性
 ・コミットメント
 ・互恵性原理:社会的交換ヒューリスティック
 ・感情

 読み進めていくと、コミュニティの一員として、管理者として、教育者として、家族の一員として、家庭医として、自分個人としてなど、いろいろな役割の中でこれまで自分がとってきた行動について、何か胸につかえていたものがすっきりしました。

 また、管理者として組織行動や文化、パワーバランスなどを分析する時や、認知行動療法を勧めていく家庭医として、あるいは、後輩をサポートする教育者として、自分の中に何か大きな変化をもたらしてくれそうな「理論」が、ここにあるような気さえしてきます。

 あっちこっちのバラバラな理論達の、大きな枠組みが少しずつ重なり合っている部分の一つが、この山岸先生の提唱されている新しい社会心理学的理論の一つなのかもしれません。

 面白いですよ。

 しかし、N先生の「すごい本を探す嗅覚」には、いつもため息が出るほど感動します。
 また、よろしくお願いします!

 

 

1 comment:

nikko said...

T. Yamagishi、俺も使いましたー。