04 January 2008

元気の素

 別に元気がないわけじゃないんだけど、今年も元気で行ってみよーって思うので、元気のもとについて。

 ひとにはそれぞれ、難しいことに直面した時とか、ヘコんだときとか、何となく物悲しくなったときとかの対処方法があると思う。

 自分にとっての対処方法の種類が多いほうが、何かと心が折れないでいられると思う。
 家族や友達と話をするって言うのがよかったりするんだけど、本格的に落ち込むと、話すことすらできなくなるからね。

 医者をしていると、いろいろと大変な状況で「心が折れてしまった、折れそうになっている」人と、たくさん出会う。残念だけど、誰かの折れた心をまっすぐにしたり、もっとしなやかに折れないようにするのって、本人にしかできない。医者としてできることは、それを放りだしたり、粉々にしないように、本人のそばにいることぐらいしか、できない。
 たくさんの折れた心、折れそうな心を見ていると、自分の心も折れそうになることがある。「あぁ、自分ってなんて不甲斐ない」と、あたかも自分が治してあげられることを前提にして、勝手に落ち込んだりする。
 
 そんなとき「それって、違くないか?」ってツッコミを入れて、まぁ、とりあえず動きますか?っていう風に、元気になるための対処方法が、それなりにあることに気が付いた。
 
 たとえば、とりあえず走ってみるとか。
 (たぶん、この、とりあえず、が、いいのかも)

 2006年に、なんだか勢いでホノルルマラソンを走ってから、走ることって結構面白いと思うようになった。
 「マラソンって、人生みたいですよ」なんてよく聞いていたが、「何をおおげさな。。」と思っていた。 でも走ってみたら、びっくり。本当です、人生みたいなものでした。

 走り始める前は、走りきれるかどうかっていう不安と、でも逃げ出すのももったいないしという気分で変なハイな気分だったけど、70代くらいの大ベテランのランナーから

 「心配ないですよ。 たった一歩でも、前に進んだら、それはゴールに一歩近づいたってことなんですから。 歩いてもいいし、走ってもいいし。 でも、忘れないでくださいね、ちゃんと進んでるんですよ。」

 深い。 なんて含蓄のある言葉なんだろう。

 それを、たまたま乗り合わせたエレベーターの中で、ビビッた顔をした若造に言ってくれるこのおじいちゃんは、どんな人生を生きてきた人なんだろうと、思ったりもした。

 走るとき、いつもこのおじいちゃんを思い出す。
 それから、マラソン中のことを思い出す。

 苦しくなった30km辺りから、これまで出会った、そして亡くなっていった患者さんたちが、バーっと頭の中に浮かんできた。昔の友達や、自分の家族や、苦しかったこととかが、走馬灯のように浮かんできた。 そして、こうして、ホノルルで走れるという状況にあることに、無性に感謝したい気分になってきて、その感謝の気持ちが走るエネルギーになって、ゴールにたどり着いたという感じ。 ゴールについた時には、なんだか本当に満たされていた。

 走ると、そんなことを思い出して、目の前の大変なことが、あんまりそうでもないような気がしてくる。

 それから、自分のテーマソングみたいな、元気を出したいときに聞く曲がある。

 NHKのプロフェッショナル仕事の流儀という番組があって、その主題歌 Progressが、たまらなく元気を出してくれる。

 歌詞の一部をご紹介。
 作詞・作曲: スガ シカオ 編曲: 武部聡志・小倉博和 プロデュース:武部聡志

ねぇ ぼくらがユメ見たのって
誰かと同じ色の未来じゃない
誰も知らない世界へ向かっていく勇気を
“ミライ”っていうらしい

世界中にあふれてるため息と
君とぼくの甘酸っぱい挫折に捧ぐ・・・
“あと一歩だけ、前に 進もう”

 この番組、あらゆる職業の「プロ」と呼ばれる人たちを特集しているのだが、その各々の「プロフェッショナルの定義」なるものが、本当に深い。
 これを読むと、これまた元気が出る。

 ちょっと時間のあるときには、好きな映画を見る。

 これまでおそらく60回は見たであろう(つまり、それだけの回数、落ち込んでいたということなんだろうが)映画は、The Matrix(1999)。 何がそんなに響くのか、それはまたの機会に書くとして、とにかく「生まれ変わる、目覚める」というテーマが、いいのかもしれない。
 
 それから、Erin Brockovich(2000)。それっておかしいんじゃないかっていう思いと、何とかしなくてはという情熱で、最大規模の企業を相手に訴訟を起こして勝訴した映画。 事実と違うという批判もあるようだけど、With Passion, anything is possible!! な感じで、元気が出る。

 あとは、思わず「ニヤリ」としてしまうものを紹介。

 げんれい工房さんのHPから。

 (HPに画像転載が禁止とのことでしたので、画像は削除しました。でもね、にやりとできるから、みてみて↑)

 挫折禁止(R)
 
 禁止って言われても、ねぇ。。
 
 これを見て、ふふふって思える間は、まだ大丈夫、大丈夫。

2 comments:

Anonymous said...

familymed758です

「元気の素」
すっげ〜あるあるだらけです!

「プロフェッショナル仕事の流儀」も良いし、主題歌 Progressもいいねえ〜

“あと一歩だけ、前に 進もう”を聞くとジ〜ンと来ます

The Matrix、Erin Brockovichいいねえ〜

個人的には「ショーシャンクの空に」も好きです

「挫折禁止」笑える。笑えるし、がんばろうという気にもなれる

でも、小島よしおの「下手こいた〜」が頭で響くのは私だけ?

マラソンはまだやっていませんが、前から興味津々なのです

いや〜読んでなんか元気でました、ありがとう!

Anonymous said...

familymed758さん、コメントありがとー。
でしょーでしょー。私もProgressを聞くと、毎回、なぜだか涙が出そうになります。ちょっとEmotionalになりすぎ?

今年のホノルルは、なんせ地球の反対側っていうことで、非常にコスト高になることもあってあきらめましたが、英国内のマラソン大会には何とか機会を作って臨みたいなぁなんて思っています。

familymed758さんの「ありがとう!」で私も元気が出ました!「ありがとう!」