20 September 2008

Infection control vs Environment

 UKで生活をして1年がたちますが、今もまだ、毎日1つは驚いてしまう日々を送っています。
 そんな中、UKで医療を行うようになって、何しろ驚いたことの一つ、それは

 外来で使用する医療器具は基本的に「全て」ディスポーザブル

 ということ。

 たとえば、小さな傷を縫うとき、日本であれば、洗浄・消毒して滅菌されたセッシ(ピンセット)やはさみを使います。 利用し終わったら、また洗浄・消毒の上、滅菌します。切れ味が悪くなれば刃を研ぎます。大きな病院では、医療材料部などの部門が、せっせときれいにしてくれています。

 が、UKでは、1回使いきりで、その後は全て「医療廃棄物」として捨てます。
 水いぼを取ったピンセット(ステンレス)も、ガーゼを切っただけのハサミ(ステンレス)も、膣内を観察するのにつかったクスコ(プラスチック)も、傷を縫うために使ったカンシや持針器(ステンレス)なども、すべて「ゴミ」になります。
 使う時には、滅菌済みの紙袋から取り出し、使ったら、すべて医療廃棄物用ゴミ箱行きです。
 ですから、処置台の上にセッシ立てやガーゼカストなんてものは見当たりません。

 思わず「もったいないなぁ、、」というのが感想。
 洗って消毒すれば使えるのになぁ、医療廃棄物として捨てるとなると資源は回収できないようなぁ、埋立地はどうしてるんだろう、、などと考えてしまいます。

 また、点滴の容器やチューブも、分別ではなく、すべてのルート(点滴パックから点滴の針まで)を一括してゴミ箱行きです。

 なぜそうした処理方法になったのか、この医療廃棄物はどのようにして処理されているのか、などについては、これから調べてみようと思っていますが、いやぁ、全部捨てちゃうというのはなぁーという感じ。
 いずれ地上のすべての鉱物の原材料がなくなった時、こうしたステンレスを掘り返すことになるんだろうかなどと、えらい先のことまで考えてしまいます。

 再利用するにもコストがかかりますが、捨ててしまうのにも当然コストがかかる。
 おそらく、医療事故などのコストも考えた上での判断なのでしょうが、何しろびっくりです。 全部洗って、消毒して、医療器具が足りなくて困っているところに出荷したらどうだろうなんて、考えてしまいます。(たぶん、医師法違反でしょうね、これは。)
 
 何かいいアイデアはないもんかと思ってしまいます。

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