17 September 2008

Finish!


 またまたご無沙汰をいたしました。
 日本ではまだ残暑が厳しいと聞いています。台風の接近も心配ですね。

 さて、先週の土曜日、この1年間のMasters programmeの最後の課題であるDissertationを提出いたしました。
 Time managementについて人に語ることもあるというのに、やっぱり直前まで(提出日の午前10時まで)あーでもない、こーでもないと書き直し続け、最後には、とりあえず形にして提出、という感じになってしまいました。

 PassかFailかは、11月にならないと分からないですが、なんとかPassしてたらなぁと願っております。

 テーマは、なぜ日本のPrimary care の現場では、数多くの患者さんを待ち時間が少ない状態でManage出来ているのか、ということをCase studyとして解析するというものです。

 そもそもは、英国のNHS(National Health Service)での(日本の感覚からは)想像を絶する待ち時間(Waiting lists)があるということがどうしても理解しがたく、最初の授業を受けたときからずーっと疑問になっていたからなのでした。
 本来なら、NHSを舞台にResearchをしたかったのですが、さまざまな制約があり実現しがたい現実があり、逆に、なぜ日本では可能なのか?という質問に置き換えて、かつてお世話になった日本の診療所についてのCase studyという形をとりました。

 Researchは、質的研究の手法をとり、Overt Observation(観察されている人たちが観察されていると分かる状況での観察研究手法)と、Group interviewという方法をメインに、診療所の背景や研究機関に診療所をおとづれた患者さんの数などを提示し、なぜ多数の患者さんの診療を、検査なども含めて「その日のうちに」終了させることができているのか、看護師さんたちの働き方に焦点を当ててStudyをすすめていきました。

 Observation、Interviewを通じて、これほどまでに「できる」看護師さんたちに囲まれて仕事ができていたのだと、本当に感謝し、またさらに、どうしてこうした看護師さんたちが生み出されるのか、どういった要素が彼女たちのモチベーションに影響しているのか、さらに興味がわいてきました。
 日本の看護教育の特徴や、日本語の持つ言語の特徴、ものづくりなどに代表されるPerfectionism、Networking理論、組織文化、Operation managementなどなど、関連する分野は多岐に及び、到底Masterレベルで決着のつくものではない、ということがわかっただけでも収穫でした。

 このDissertationを勧めるにあたり、私のTutorになってくださったのは、Dr. Gill Harveyで、UKの看護に関する質改善のエキスパートでもあり、最近NHSにおけるQuality improvementに関するレポートをまとめた一員でもあります。仕事におけるキャリアもさることながら、小さなお子さんを抱えるお母様でもあり、またUKでも偉大なRole modelに出会うことができました。

 今後のBlogでは、Manchesterで出会った友人たちからの学びや、Moduleで使用されたText、論文を書くにあたって参考になった文献などを紹介していこうと思います。

 そうそう、2008年7月より、Londonにて仕事を始めました。
 日本人クリニックでGeneral Practitionerとして、臨床現場で働いています。
 やはり、患者さんと向かい合うということは、本当に刺激的で興味深くて、こうして医師として働けていることを有難く思う毎日です。

 それでは皆様、当分ご無沙汰でしたが、またお付き合いくださいませ。

 

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