21 September 2008

先に見える扉 その1:Anthropology

 Healthcare managementというものの見方で1年間学びを続け、含まれるSubjectのすべては網羅できなくとも、なんとなく「こんなかんじ?!」というのがわかったようになり、少なくとも、どの分野についてはどのJournalがいいとか、どのあたりの本を探せばいいのかという見当はつくようになりました。

 Dissertation(修士論文)を作成するにあたり、思考があっちに行ったりこっちに行ったりしながら様々なAcademic subjectsに出会いました。

 その中の一つが、Anthropology (人類学)です。
 ま、これは、「あなたの興味の分野はAnthropologyじゃないの?」とMentorやら先輩方から指摘されて気がついた、というものですが。。

 そもそも高校生の時に「人って何なのか、知りたい」という動機から、なぜか医学部を受験したことを振り返ると、最初からSociology(社会学)やAnthropologyが学びたいことだったのかもなぁ、、なんて思っています。
 けれども、医師という仕事、家庭医という役割、Healthcare Managementという見方を経験した今が、一番Anthropology/Sociologyを学ぶのに適した時期、なのかも、しれないです。

 さて、じゃぁ、Anthropologyってなんだ?ってことで、大学の図書館から借りてきました。
 その名も、
 What is anthropology
 Thomas H. Eriksen (2004) London:Pluto Press

 その中に定義として、一言で言うならば、Anthropologyとは、
the comparative study of culture and society, with a focus on local life.

 と書かれています。(Eriksen, 2004:p9)

 以前は、人類学というと、どこかの未開の地に行って新しい人類の生活スタイルを発見するとか、人類の文化に序列をつけて、どこの地域(文化)がより発達してるとかしてないとか、って言うことを議論していた(18世紀まで)そうなんですね。
 それが、19世紀に入り、その特定の地域に存在する文化はその地域独自のものであり、他の文化と比べてどちらが優位とかいうものはなく(Cultural relativism)、その地域に特異的で独自の歴史的発達を遂げており、どの文化も通過するといったような発達段階などはない(Historical particulatism)というような考え方が出てきたんだそうです。(個人的には、こうした「序列なんてない」という考え方が、USのAnthropologist(Franz Boas)から提唱されたのが興味深いですが。)
 
 自分の「外」や「違うもの」を認識することを通じて、普段はなかなか意識に上ってこないような('homeblindness' (p15))自分の「内」や「あたりまえ」というものが、その地域や習慣に基づくものだという認識をすることが、Anthropologyを学ぶにあたって大切なんだそうです。

 また、研究方法の一つとして、研究対象の地域にどっぷり浸かって一緒に生活しながら研究を進めるというparticipant observationというのも、この分野の研究手法でよくつかわれるもののようです。

 まだほんの少ししか読んでいませんが、こうしてみると、家庭医として働いているということで、Anthropologcalな視点が育つなぁなんて思いました。その地域にどっぷりつかり、その地域で生活し、その地域の独自性を認識しながら、その地域の問題に対処していこうとするのですもんね。常に頭の中は、「何で?どうして?」を考えているあたりなんかもね。(あ、ちょっとこじつけですか?)

 Anthropologyの中にも、またいろいろわかれているようなので、それはまた後々ってことで。 
 

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