04 October 2007

Visit GP Office!

 今日は、教授に連れられて、Manchester大学が管理するPrimary Care officeを見学してきました。(通常はNHS管理下にあるので、ちょっとユニークです。)
 Rusholme Health Centre 内にある The Robert Darbishire Practiceです。
 http://www.rdp.org.uk/

診療所は住宅街の中にあり、待合室は清潔で広く、小さな子供が描いた絵などが額に入れて飾ってあり、とても雰囲気がいいです。 受付の担当者は、(ほかの英国内の様々な受付と比較して)はるかによくトレーニングされており、必要な情報がきちんとわかるようになっています。(英国の受付が「受付」でないことは、また別の機会に。。。)

登録患者数は約17000人。30%が学生で、40%が英語を母国語とせず、60%が英語を用いた症状の表現に違和感を抱いているという、非常にバラエティに富んだ患者層です。

 ここでは、19人のGeneral Practitioner (GP)3人のNurse Practitioner (NP)5人のPractice Nurse (PN)2人のHealthcare Assistant (HCA)Support staff28人、2人のManagerが働いています。ここの一つの特徴が、Pharmacistが常勤であること。 

 英国では、薬剤師が常勤で診療所(Practice)にいることはまれだそうです。

 薬剤師は、調剤のほかに薬剤の適正投与についてなどをモニタリングしています。

 ちょっと役割についての補足説明。

 HCA:指示された採血や細胞診などを行う医療専門職。

 PN:安定している慢性疾患や患者教育、細胞診、予防接種などを行う医療専門職。診療内容をきちんとラベリングして、データーベースに登録をしてAudit(診療の質改善の一環)目的のために使用できるようにしている。

 NP:急性期の患者に対して、問診・診察を行って診断をつけ、処方もすることができる。必要なら専門医への紹介も可能。安定している慢性疾患管理も行い、新卒のGPや医学生、看護学生への教育も行っている。

 NPになるには、経験と専門領域での修士を終える必要があり、さらに処方可能になるためには、60時間の研修を修了する必要があるそうです。(ここでGPが、「GP16時間しか処方について勉強していないから、彼らのほうがよく勉強しているわよね。。」)

 ここでの疑問が、「じゃぁ、GPは何をやっているんだ?」ということ。

 GPは、Complicatedな患者を診ることになるんだそうです。

 

 患者1人当たり10分の予約時間がとられ、電話での問い合わせは5分となっており、お昼休みもきちんと取ることができ、専門医への紹介状、さまざまな書類はすべて「勤務時間内」に済ませるんだそうです。

 NPの診察室には、リクライニング式の婦人科検診ができるようになっている足台がついた診察台に、電子カルテと簡単な処置ができるような包交車があります。患者さん用のパンフレットもたくさん置いてありました。

 GPの診察室はもう少し大きく、診察台は横に寝られるようになったベッドと、洗面台、大きめの包交車、電子カルテと処方箋用のプリンター、家族用のいすなども置いてありました。

 NHSの全体像、Primary Care Trustの役割、Quality Control (Quality and Outcome Framework:QOF)、診療報酬体系、2004年からのPrimary Car Policyの変化やその後のPrimary Care事情などはまた別の機会に。

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