毎年楽しみにしているSTFM(Society of Teachers of Family Medicine)のSpring conferenceがDenverで行われて、多くの日本からの参加者とともに学んできました。
今のアメリカの家庭医療におけるHot topicsを知ることはもちろん、新しい取り組みなども紹介されていました。
そんな中で、Minnesota大学Dr.David SatinによるPay for Performance(P4P)の取り組みについてのワークショップに参加し、すこぶる有用なSiteを作っているとのことで紹介していただきました。
Pay for Performance Clearing House
http://www.student.med.umn.edu/p4p/
世界各国で取り組み始められている「診療の質に対する支払制度 P4P」についてかなりまとまっているサイトです。
参考となる文献をまとめ、症候や疾病に分けて表示してあり、P4Pの教育に関しての文献もあります。
P4Pとは、患者さんや地域に対して提供される医療の質を評価し、それに基づいて医療を提供する側に支払いが行われるという制度のこと。
そのあたりがまとめられているPowerpointなどの資料は、Family Medicine Digital Resources Library(FMDRL)に投稿されています。以下のリンクから、Dr David Satinで検索すると出てきます。
Family Medicine Digital Resources Library
http://www.fmdrl.org/index.cfm
日本の保険制度では、症状や疾病に対しての治療に基づいて点数化して支払基金から医療機関にお金が入る仕組みになっています。つまり、注射をするといくら、薬を処方するといくら、入院するといくら、という感じ。このため、医療の質の改善にかかるコストは、現時点ではほぼ医療機関の「持ち出し」状態です。
要するに、現場の医療機関にとっては、「医療の質は高めたい、でもお金がない」という状況。
現時点では、安全で質の高い医療のための初期投資(IT導入など)も、システム作りも、教育、研究、評価も行うことはかなり難しいと言わざるを得ません。これまで散々「頑張ってきた」医療機関の現場に対して、お得意の「頑張れば何とかなる」と言っても、解決はしないでしょう。
この先、国によってどんな研究がなされ、どんな政策が出されていくのか、注目です。
(余談ですが、ミネソタというのは、かなり特徴的な医療制度を州をあげて取り組んでいて、アメリカの医療の特徴でもある個人医療保険による弊害をなくそうという試みのもと、州が保険基金のようなものを作って貧困層に対する医療制度の充実などを目的に運営されています。
一定の成果もあげており、私の学んだ大学院の講義でも紹介されていました。)
19 May 2009
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1 comment:
お世話になります、緑のgooスタッフ石澤と申します。
日頃より「緑のgoo」をご利用いただき、まことにありがとうございます。
ブログパーツを貼っていただいてるのを拝見し、コメントさせていただきました。
感謝の気持ちを込めてグリーティングカードを用意しましたので、
ぜひご覧いただければ幸いです。
http://clover.green.goo.ne.jp/track/kg839amuY2JJu6Hi2rOV
また、先日新たなブログパーツをリリースしました。
時計機能がついたかわいいパーツですので、
もしご興味いただけましたら、こちらもご利用いただければ幸いです^^
引き続き「緑のgoo」をよろしくお願いいたします。
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