気づいたら、もう1月も終わりにさしかかっておりました。
年始の「今年はこれをやるぞ」系のblogもかけずにおり、なんだかなぁな気分です。
なんだかなぁな時によく見返すのが、自分が英国に旅立つときに贈ってもらったアルバム。
家庭医の仲間たちと飲みに行った時の写真と、その写真に添えられたコメント。
そして、
今までどおり いつもどおり
と、Mentorがコメントくれていたのを見て、そうよね、そうよね。
そうそう、「あちゃぁー、もうこんな時期/時間か!やばい、やばい」と言っているのも「今までどおり」
そして、「よっしゃ、気合い入れてやるしかないな(バタバタ)」というのも「いつもどおり」
へこんだ時には仲間や同志に尻をひっぱたいてもらい、「面白いものを見つけた!」とはしゃいでいるときには微笑みをもらい、そうした関係に支えられていることに感謝感謝。
昨年末、BMJでジーンとしてしまう論文に遭遇し、頭の中にお世話になった方々がたくさん浮かんできました。
Fowler, J. H. and Christakis, N. A. (2008). Dynamic spread of happiness in a large social network: longitudinal analysis over 20 years in the Framingham Heart Study. BMJ. 337:a2338.
Available at: www.bmj.com/cgi/content/full/337/dec04_2/a2338
Framingham heart studyという大がかりなCohot studyを利用した解析で、Happinessが人から人へ伝播するものなのかどうかを確かめた研究です。
Happinessの定義は、the Center for Epidemiological Studies depression scale (CES-D)というのを利用し、以下の4つが過去1週間にどの程度見られたかで測定されています。
"I felt hopeful about the future,"
"I was happy,"
"I enjoyed life,"
"I felt that I was just as good as other people."
解析の結果は、
・人のネットワークの中で、Hapinessっていうのは人から人へ、3階層隔てたところまで広がっていく。つまり、誰かの友達の友達の友達まで、伝播する。
・Happyな人たちに囲まれてたり、Happyな人たちのネットワークの中心にいるような人っていうのは、将来にわたってもHappyである可能性が高い。
・Happyな人たちの集団というのは、ただ単に似たような人たちが集まったということではなくて、Happinessが伝播した結果の産物である。
・1マイル圏内にいる友達がHappyになると、自分がHappyになりやすい。
・一緒に住んでいるpartnerや1マイル圏内にいる兄弟・姉妹、そしてお隣さんもHappyだと、自分もHappyになりやすい。
・でも、こうしたことは同僚では起きない。
・Happinessの伝播は、時間と距離で弱まってしまう。
さらに、本文中には、
関係が持てている友人・知人の数ではなくて、その関係性の感情面が、自分の感情面に強く影響している
と、書かれています。 納得。 量より質なのですね、友人は。
この研究対象となったデータは、1983年から2003年ですから、SkypeやFacebookなんていう距離も時間も飛び越えてしまう様なツールが手に入った今は、きっと距離でのHappinessの伝播の減弱は、乗り越えられるようになるのかもしれません。
うん、乗り越えたいなぁ。
もう一つ思い出したのが、ずいぶん昔に新宿駅前の交差点で起こった素敵なエピソード。
まだ学生の頃に、久しぶりに会う友人を迎えるために新宿駅へ向かっているとき、南口駅前の大きな交差点を小走りにわたっているときに、向こうから来た外国の方に、
Smile!
と、耳元でささやかれました。
びっくりして振り返ると、その人は笑顔でウインク。
不思議な気分とびっくりなので、ボー然と駅前で友人を待っていると、先ほどの人が笑顔で近づいてくる。
その人いわく
向こうから走ってくるあなたの目を見て、きっとあなたにはこれから嬉しい事があるんだろうなぁって思ったんだ。でも、顔は笑ってなかったんだよね。でも、あなたが笑顔だったら、きっとあなたを見る人も笑顔になって、みんながHappyになると思ったんだ。だから、Smile!って声をかけたんだよ。
なるほどーって、納得しました。
寝不足で目が腫れていても、少々凹んでいても、笑顔でいられたらいいなって、思います。
今年も「今までどおり いつもどおり」よろしくお願いいたします!