毎年楽しみにしているSTFM(Society of Teachers of Family Medicine)のSpring conferenceがDenverで行われて、多くの日本からの参加者とともに学んできました。
今のアメリカの家庭医療におけるHot topicsを知ることはもちろん、新しい取り組みなども紹介されていました。
そんな中で、Minnesota大学Dr.David SatinによるPay for Performance(P4P)の取り組みについてのワークショップに参加し、すこぶる有用なSiteを作っているとのことで紹介していただきました。
Pay for Performance Clearing House
http://www.student.med.umn.edu/p4p/
世界各国で取り組み始められている「診療の質に対する支払制度 P4P」についてかなりまとまっているサイトです。
参考となる文献をまとめ、症候や疾病に分けて表示してあり、P4Pの教育に関しての文献もあります。
P4Pとは、患者さんや地域に対して提供される医療の質を評価し、それに基づいて医療を提供する側に支払いが行われるという制度のこと。
そのあたりがまとめられているPowerpointなどの資料は、Family Medicine Digital Resources Library(FMDRL)に投稿されています。以下のリンクから、Dr David Satinで検索すると出てきます。
Family Medicine Digital Resources Library
http://www.fmdrl.org/index.cfm
日本の保険制度では、症状や疾病に対しての治療に基づいて点数化して支払基金から医療機関にお金が入る仕組みになっています。つまり、注射をするといくら、薬を処方するといくら、入院するといくら、という感じ。このため、医療の質の改善にかかるコストは、現時点ではほぼ医療機関の「持ち出し」状態です。
要するに、現場の医療機関にとっては、「医療の質は高めたい、でもお金がない」という状況。
現時点では、安全で質の高い医療のための初期投資(IT導入など)も、システム作りも、教育、研究、評価も行うことはかなり難しいと言わざるを得ません。これまで散々「頑張ってきた」医療機関の現場に対して、お得意の「頑張れば何とかなる」と言っても、解決はしないでしょう。
この先、国によってどんな研究がなされ、どんな政策が出されていくのか、注目です。
(余談ですが、ミネソタというのは、かなり特徴的な医療制度を州をあげて取り組んでいて、アメリカの医療の特徴でもある個人医療保険による弊害をなくそうという試みのもと、州が保険基金のようなものを作って貧困層に対する医療制度の充実などを目的に運営されています。
一定の成果もあげており、私の学んだ大学院の講義でも紹介されていました。)
19 May 2009
14 April 2009
こども と ことば
ロンドンを含む周辺の地域には、結構な数の「日本語を話す方々」が住んでおられます。
そんな方々が、体調を崩された時に「日本語で」診療を受けたいという理由などから、私が勤めているクリニックへ足を運ばれます。
先日いらっしゃったのは、小学校に入る前位の男の子を連れたご夫婦でした。
男の子が風邪でも引いたのかしらと思いきや、ご両親が体調を崩されていたとのこと。
お父様とお母様の診察をしている間や、今後のことについてお話をしている最中、男の子はニコニコしながら、私の口から出てくる言葉をずーっとオウム返しのようにしゃべっていました。
私「咳はでますか?」
男の子「せきはでますかぁ!」
私「ですので、症状に合わせてお薬を使い分けていただいて、構いませんので、、」
男の子「ですので、しょー・・わせて、おくすりをつかいわれ・・かまいませんので!」
という感じ。
しかも、私の(オーバーリアクション気味な)身振り手振りもまねるという、頑張りよう。
楽しいゲームのように、彼は懸命に私の会話を追っかけてきます。
それを、ご両親は「シー!静かに聞いててね!」と遮るのですが、彼は一向にお構いなし。
きゃっきゃと笑って、私のポーズを真似ています。
特に私も気にも留めず診療が終え、薬の処方を待っている間にお母様と英国の生活について話をしていました。
何故って、こちらに来られているお母様方は、慣れない環境下でお子さんの成長のことやコミュニティ(外国人、日本人ともに)でのお付き合いなどで、結構悩まれ、お疲れになっている方も多いので。
すると、息子さんは、普段は英国人の子供たちと触れ合うことが多く、日本語が話されている環境に入ると、急にテンションが上がって活動的になって手を焼くこともあるとのこと。さらに、他の日本の子供たちと比べて、わが子の成長が劣っているのではないかと心配になる事もあると。
そこで私は、彼が診察室で見せたそぶりを振り返り、おおぉと思いいたりました。
先ほどの彼の「オウム返し」は、彼にとっての日本語の勉強だったのかもしれないと。
ちょうど、英語のSpeakingのレッスンのように、よくわからない言葉は似たような発音をし、わかる言葉ははっきりと、シャドーイングをしているような。
そして、もしかすると、お医者さんごっこのような、まねごと遊びもしていたのかもしれないと、そう思ったのでした。
お母様と話をしている間、彼はお絵かきに夢中で、「次はRedで書いてぇ、点はBlackだぁー」と、RとLの発音をばっちり使い分けて遊んでいます。やっぱり、子供の耳と脳は、英語も日本語も関係なしに吸収するのですね。彼は、私にも、何を書いているのか説明してくれます。
少なくとも、小学校に入る前の男の子として、運動機能の問題もなさそうですし、言語の分野でも日本語、英語ともに年齢相応かそれ以上、書いている絵から察しても、Fine motor-adaptiveのスケールでも年齢相応。人とコミュニケーションを取る事が出来、自分の考えを伝え、さまざまなものに興味を持っているという点でも、社会性に問題があるようには思えません。どちらかというと、積極的にかかわりを持っていくという点では、頼もしいと思えるほど。
走り回って落ち着きがないわけでもなく、集中して取り組むということも出来ています。日本語の環境にいるとテンションが上がるのは、ご両親以外の人との交流が、彼にとって非常に刺激的で楽しいからなのでしょう。
お母様いわく、英国人のコミュニティに入って半年が過ぎ、息子さんの積極性がどんどん増しているとのこと。
なるほど、行動変容には、はやり環境要因というのはかなり大きいのだろうなぁ。
診療の際の行動や絵の内容から察して、息子さんは順調に育っている様子ですよとお伝えしました。
言葉にはしませんでしたが、きっと彼は、この英国で身につけた事、体験した事を生かして、いつかご両親に感謝する日が来るだろうなぁなんて、思いました。
「私の体調がどうであっても、この子が楽しんでいるというのが、私にとっては何よりも大切なので」というお母様に育てられているこの男の子は、ご両親から沢山の愛情を受けて育っていることは、間違いなさそうです。彼のあふれる笑顔も、人に対する信頼感も、ここから来るのでしょう。
それにしても、RとLの発音、奇麗だったなぁ。
レッドじゃなくて、Redですから。
そんな方々が、体調を崩された時に「日本語で」診療を受けたいという理由などから、私が勤めているクリニックへ足を運ばれます。
先日いらっしゃったのは、小学校に入る前位の男の子を連れたご夫婦でした。
男の子が風邪でも引いたのかしらと思いきや、ご両親が体調を崩されていたとのこと。
お父様とお母様の診察をしている間や、今後のことについてお話をしている最中、男の子はニコニコしながら、私の口から出てくる言葉をずーっとオウム返しのようにしゃべっていました。
私「咳はでますか?」
男の子「せきはでますかぁ!」
私「ですので、症状に合わせてお薬を使い分けていただいて、構いませんので、、」
男の子「ですので、しょー・・わせて、おくすりをつかいわれ・・かまいませんので!」
という感じ。
しかも、私の(オーバーリアクション気味な)身振り手振りもまねるという、頑張りよう。
楽しいゲームのように、彼は懸命に私の会話を追っかけてきます。
それを、ご両親は「シー!静かに聞いててね!」と遮るのですが、彼は一向にお構いなし。
きゃっきゃと笑って、私のポーズを真似ています。
特に私も気にも留めず診療が終え、薬の処方を待っている間にお母様と英国の生活について話をしていました。
何故って、こちらに来られているお母様方は、慣れない環境下でお子さんの成長のことやコミュニティ(外国人、日本人ともに)でのお付き合いなどで、結構悩まれ、お疲れになっている方も多いので。
すると、息子さんは、普段は英国人の子供たちと触れ合うことが多く、日本語が話されている環境に入ると、急にテンションが上がって活動的になって手を焼くこともあるとのこと。さらに、他の日本の子供たちと比べて、わが子の成長が劣っているのではないかと心配になる事もあると。
そこで私は、彼が診察室で見せたそぶりを振り返り、おおぉと思いいたりました。
先ほどの彼の「オウム返し」は、彼にとっての日本語の勉強だったのかもしれないと。
ちょうど、英語のSpeakingのレッスンのように、よくわからない言葉は似たような発音をし、わかる言葉ははっきりと、シャドーイングをしているような。
そして、もしかすると、お医者さんごっこのような、まねごと遊びもしていたのかもしれないと、そう思ったのでした。
お母様と話をしている間、彼はお絵かきに夢中で、「次はRedで書いてぇ、点はBlackだぁー」と、RとLの発音をばっちり使い分けて遊んでいます。やっぱり、子供の耳と脳は、英語も日本語も関係なしに吸収するのですね。彼は、私にも、何を書いているのか説明してくれます。
少なくとも、小学校に入る前の男の子として、運動機能の問題もなさそうですし、言語の分野でも日本語、英語ともに年齢相応かそれ以上、書いている絵から察しても、Fine motor-adaptiveのスケールでも年齢相応。人とコミュニケーションを取る事が出来、自分の考えを伝え、さまざまなものに興味を持っているという点でも、社会性に問題があるようには思えません。どちらかというと、積極的にかかわりを持っていくという点では、頼もしいと思えるほど。
走り回って落ち着きがないわけでもなく、集中して取り組むということも出来ています。日本語の環境にいるとテンションが上がるのは、ご両親以外の人との交流が、彼にとって非常に刺激的で楽しいからなのでしょう。
お母様いわく、英国人のコミュニティに入って半年が過ぎ、息子さんの積極性がどんどん増しているとのこと。
なるほど、行動変容には、はやり環境要因というのはかなり大きいのだろうなぁ。
診療の際の行動や絵の内容から察して、息子さんは順調に育っている様子ですよとお伝えしました。
言葉にはしませんでしたが、きっと彼は、この英国で身につけた事、体験した事を生かして、いつかご両親に感謝する日が来るだろうなぁなんて、思いました。
「私の体調がどうであっても、この子が楽しんでいるというのが、私にとっては何よりも大切なので」というお母様に育てられているこの男の子は、ご両親から沢山の愛情を受けて育っていることは、間違いなさそうです。彼のあふれる笑顔も、人に対する信頼感も、ここから来るのでしょう。
それにしても、RとLの発音、奇麗だったなぁ。
レッドじゃなくて、Redですから。
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08 March 2009
Where the Hell is Matt? (2008) - YouTubeから
あまり動画をUploadするのは好きではないのですが、どうしてもシェアしたくなったので。
きっと、笑顔になると思います。 もしかすると、泣けてくるかも。
まずは、YouTubeでご覧ください。
Where the Hell is Matt? (2008) (HDバージョンはこちら)
www.wherethehellismatt.com/
きっと、笑顔になると思います。 もしかすると、泣けてくるかも。
まずは、YouTubeでご覧ください。
Where the Hell is Matt? (2008) (HDバージョンはこちら)
www.wherethehellismatt.com/
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つれづれ
07 March 2009
BMJ Masterclass for GPs: General Update
前からずーっと参加してみたいと思っていたコースに参加してきました!
BMJ Masterclass for GPs: General Update
2日間で、GP(General Practitioner)の守備範囲において、最新のEBM(Evidence-based Medicine)に基づいたUpdateができるといううたい文句で開催されています。
朝9時から夕方5時まで、びっちりの講義です。
参加者は、London周辺の200人のGPたち。ほとんどがGP Clinicで働いているGPで、他にLocum(非常勤)、リタイア組、長期休みから復帰したGP、そして研修医や学生もいました。
<1日目>
RESPIRATORY MEDICINE
DERMATOLOGY
DIABETES
OPHTHALMOLOGY
INTERPRETING LAB RESULTS
PAEDIATRICS: "Last minute on a Friday afternoon”
<2日目>
CARDIOLOGY
ENT
NEUROLOGY
MUSCULOSKELETAL
POLYPHARMACY
WOMEN'S HEALTH
久々の「朝から晩まで英語」という環境で、午後3時過ぎには頭がしびれてくる感じもしましたが、実に、実に有意義なコースでした。
自分自身の生涯学習という点でも、Lecturerとしても、質改善の視点でも、生涯学習システムの一例としても、ネットワーキングの点でも、本当に学ぶことが多い2日間でした。
すべてのLecturersはベテランの専門医集団で、プレゼンも非常にインタラクティブ、内容はNICE Guidelinesと最新のEBMに基づいており、プライマリケアの現場で必要な情報に絞られています。即、明日から使える!という感じ。
さすがに毎年評価されて選ばれているLecturersなので、本当にプレゼンが上手い!
UKならでは(?)のBlack humorもたっぷりで、参加者を飽きさせません。さらには、時間オーバーもなし。圧巻です。
もちろん、ExpertならではのTipsも満載で、どんな時に紹介したらいいのか、どのあたりがまだControversialなのか、どこがBottom lineなのか、よく理解できました。
また、講義では、RRR(Relative Risk Reduction:相対危険度減少率), ARR(Absolute Risk Reduction:絶対リスク減少), NNT(Number needed to treat:治療必要数), QALYs(Quality Adjusted Life Years)など、当然のように臨床疫学用語が用いられ、単に論文をまとめるというのではなく、同じテーマの多くの論文の結果をどのように理解すべきか、どうPracticeに反映させるかという具合に、非常にLogicalに内容が進んでいきました。
内容は、1.5cmはあろうかという厚さのhandbook2冊にまとめられ、復習できるようにReferenceも満載。各々のページにメモ欄がしっかりあり、項目の最初には、この講義で学んだこと、今後学ぶべきことなどがまとめられるようになっています。
また、すべてのレクチャースライドとCertificateが後からメールで送付されるとのこと。
Reflect&Learn, Portforlioという教育方法がしっかり根付いているUKならでは、という感じでしょうか。
このレクチャーでは、参加者にそれぞれリモコンが手渡され、レクチャーの合間のクイズに対して回答ボタンを押すと、瞬時に集計・グラフになって表示されるというシステムが導入されていました。
あるLecturerは、参加者の事前の理解度を知るために、または、レクチャー内容の理解を確かめるために利用、さらに、ガイドラインについての理解度などにも使っていました。
講義の合間に、講義する人と参加者のコミュニケーションを向上させて、更に内容を膨らませていく上で、非常に有益ですね、こういう仕組みは。
表示される集計結果を見て驚いたのが、かなりの割合でGPの知識が「標準化されている」ということ。
UKでは、NICE(National Institute for Health and Clinical Excellence http://www.nice.org.uk/)が編集しているGuidelineに基づいて診療をすることが推奨されていますが、そのGuideline通りの回答をする参加者がほとんどだということです。
このNICE、毎年膨大な量のGuidelineが発行され、かつ、Updateされます。自分の興味の範囲とメールアドレスを登録しておくと、Updateされたりした情報を知らせてくれるのですが、それを全部読むのはかなりの労力を要します。(もちろん、英語だからってこともありますが。。。)
英国の医療は良くないとか、GPの質が悪いとかいう意見も散見されますが、少なくとも個人の努力でUpdateし、「標準治療」そのものが曖昧でExpert opinionが重視されがちな(あるいは、製薬会社の言いなり処方の)日本よりは、プライマリケアの「標準化」の点では英国は圧倒的に進んでいると感じました。また、基本的な臨床疫学知識は当然のものとして知っているという印象も受けました。さらには、BMA(British Medical Association)が全面バックアップで生涯学習講座を定期的に開催し、UK津々浦々まで「標準化」を行っている点も、学ぶところが大きかったです。
無論、講義最中は、病名や薬剤名(特に商品名)なんかは、???になることも多く、講義終了間際に早口でまくしたてられるとさっぱり耳に入ってこなくて、本当に悔しいけど英語が障壁になっているのを痛感。それに、GPに必要とされる医学知識もまだまだで、臨床医としてやっていくってことの厳しさを再確認しました。
落胆しててもしょうがない。英語も生涯学習も、コツコツやるしかありませんね。
何人かのGPと知り合いになり、どうやって膨大な量のUpdateをしているんだと聞いてみました。こうしたレクチャーに参加したり、情報をシェアしたりしているんだとか。それに、自分で勉強する時間も確保されるように、職場で保障されているとのこと。この辺も学ぶべき点ですね。
日本、アメリカ、イギリス、またアジア、北米、ヨーロッパと、あちこちでの生涯学習講座や学会に参加してみると、「学ぶ」ということに対しての姿勢や方法論の違いに気づきます。
良いものは取り入れ、更に改善し、もっとシェアしていけたらいいなと思います。
自分から動くことって、やっぱり大切ですね。
BMJ Masterclass for GPs: General Update
2日間で、GP(General Practitioner)の守備範囲において、最新のEBM(Evidence-based Medicine)に基づいたUpdateができるといううたい文句で開催されています。
朝9時から夕方5時まで、びっちりの講義です。
参加者は、London周辺の200人のGPたち。ほとんどがGP Clinicで働いているGPで、他にLocum(非常勤)、リタイア組、長期休みから復帰したGP、そして研修医や学生もいました。
<1日目>
RESPIRATORY MEDICINE
DERMATOLOGY
DIABETES
OPHTHALMOLOGY
INTERPRETING LAB RESULTS
PAEDIATRICS: "Last minute on a Friday afternoon”
<2日目>
CARDIOLOGY
ENT
NEUROLOGY
MUSCULOSKELETAL
POLYPHARMACY
WOMEN'S HEALTH
久々の「朝から晩まで英語」という環境で、午後3時過ぎには頭がしびれてくる感じもしましたが、実に、実に有意義なコースでした。
自分自身の生涯学習という点でも、Lecturerとしても、質改善の視点でも、生涯学習システムの一例としても、ネットワーキングの点でも、本当に学ぶことが多い2日間でした。
すべてのLecturersはベテランの専門医集団で、プレゼンも非常にインタラクティブ、内容はNICE Guidelinesと最新のEBMに基づいており、プライマリケアの現場で必要な情報に絞られています。即、明日から使える!という感じ。
さすがに毎年評価されて選ばれているLecturersなので、本当にプレゼンが上手い!
UKならでは(?)のBlack humorもたっぷりで、参加者を飽きさせません。さらには、時間オーバーもなし。圧巻です。
もちろん、ExpertならではのTipsも満載で、どんな時に紹介したらいいのか、どのあたりがまだControversialなのか、どこがBottom lineなのか、よく理解できました。
また、講義では、RRR(Relative Risk Reduction:相対危険度減少率), ARR(Absolute Risk Reduction:絶対リスク減少), NNT(Number needed to treat:治療必要数), QALYs(Quality Adjusted Life Years)など、当然のように臨床疫学用語が用いられ、単に論文をまとめるというのではなく、同じテーマの多くの論文の結果をどのように理解すべきか、どうPracticeに反映させるかという具合に、非常にLogicalに内容が進んでいきました。
内容は、1.5cmはあろうかという厚さのhandbook2冊にまとめられ、復習できるようにReferenceも満載。各々のページにメモ欄がしっかりあり、項目の最初には、この講義で学んだこと、今後学ぶべきことなどがまとめられるようになっています。
また、すべてのレクチャースライドとCertificateが後からメールで送付されるとのこと。
Reflect&Learn, Portforlioという教育方法がしっかり根付いているUKならでは、という感じでしょうか。
このレクチャーでは、参加者にそれぞれリモコンが手渡され、レクチャーの合間のクイズに対して回答ボタンを押すと、瞬時に集計・グラフになって表示されるというシステムが導入されていました。
あるLecturerは、参加者の事前の理解度を知るために、または、レクチャー内容の理解を確かめるために利用、さらに、ガイドラインについての理解度などにも使っていました。
講義の合間に、講義する人と参加者のコミュニケーションを向上させて、更に内容を膨らませていく上で、非常に有益ですね、こういう仕組みは。
表示される集計結果を見て驚いたのが、かなりの割合でGPの知識が「標準化されている」ということ。
UKでは、NICE(National Institute for Health and Clinical Excellence http://www.nice.org.uk/)が編集しているGuidelineに基づいて診療をすることが推奨されていますが、そのGuideline通りの回答をする参加者がほとんどだということです。
このNICE、毎年膨大な量のGuidelineが発行され、かつ、Updateされます。自分の興味の範囲とメールアドレスを登録しておくと、Updateされたりした情報を知らせてくれるのですが、それを全部読むのはかなりの労力を要します。(もちろん、英語だからってこともありますが。。。)
英国の医療は良くないとか、GPの質が悪いとかいう意見も散見されますが、少なくとも個人の努力でUpdateし、「標準治療」そのものが曖昧でExpert opinionが重視されがちな(あるいは、製薬会社の言いなり処方の)日本よりは、プライマリケアの「標準化」の点では英国は圧倒的に進んでいると感じました。また、基本的な臨床疫学知識は当然のものとして知っているという印象も受けました。さらには、BMA(British Medical Association)が全面バックアップで生涯学習講座を定期的に開催し、UK津々浦々まで「標準化」を行っている点も、学ぶところが大きかったです。
無論、講義最中は、病名や薬剤名(特に商品名)なんかは、???になることも多く、講義終了間際に早口でまくしたてられるとさっぱり耳に入ってこなくて、本当に悔しいけど英語が障壁になっているのを痛感。それに、GPに必要とされる医学知識もまだまだで、臨床医としてやっていくってことの厳しさを再確認しました。
落胆しててもしょうがない。英語も生涯学習も、コツコツやるしかありませんね。
何人かのGPと知り合いになり、どうやって膨大な量のUpdateをしているんだと聞いてみました。こうしたレクチャーに参加したり、情報をシェアしたりしているんだとか。それに、自分で勉強する時間も確保されるように、職場で保障されているとのこと。この辺も学ぶべき点ですね。
日本、アメリカ、イギリス、またアジア、北米、ヨーロッパと、あちこちでの生涯学習講座や学会に参加してみると、「学ぶ」ということに対しての姿勢や方法論の違いに気づきます。
良いものは取り入れ、更に改善し、もっとシェアしていけたらいいなと思います。
自分から動くことって、やっぱり大切ですね。
25 February 2009
カラダって、ほんとに不思議
昨年10月末から本格的に走り始めて、すぐさま左膝の膝蓋骨外側が痛み始め、3kmも走ると痛くて歩けなくなっておりました。
これは大腿四頭筋の筋力不足と筋膜張筋のしなやかさが足りないと判断して、筋トレとストレッチを綿密にやってみました。
が、相変わらず膝の痛みは治まらない。走るにも走れず、鎮痛剤内服+外用、お灸をすえてもだめで、Sports physical therapyに行ってみたけど、それでも良くならない。
Runners knee と言われる腸脛靱帯炎(Iliotibial band syndrome)と言われるものともちょっと違うし、膝関節内というわけでもないし、うーん、困った。
あれこれText読んだりしていても、どうも原因が分からない。 情けない。
そこで、これはやっぱりProfessionalに聞くのがいいと考えて、通っているFitnessのPersonal sports trainerに頼ってみることにしました。長距離・トライアスロン専門で、栄養学にも精通しているというTrainerです。
見るからに筋肉隆々、贅肉なんて一切ない、根っからのスポーツマンという感じ。
初回。
まずは走り方のチェックと、基礎筋力、持久力のテスト。
片足でスクワットをしたのを見ると、彼がバーベルの重りを抱えてきました。そのバーベルの端に足底の内側を乗せ(つまり、外側に足首を捻挫しそうな形)にして、スクワットをするように指示してきました。
やってみると、あら不思議。
スクワットをすると内側に回り込んでいた膝(特に痛い左側)が、足の指の方向にきちんと曲がるではないですか! で、彼が一言。
おおー! すごい! ほんとですか!
さっすがProfessionalは、違う。すっかり信頼してしまいました。
でも、へん平足って言われて、結構ショック。。
私の膝の痛みは、詰まるところが、膝を曲げると下腿がやや内側に回転し、膝蓋骨が外側に移動、それに伴い大腿骨遠位端と膝蓋骨が走るたびに摩擦したため、ということ。
何で、下腿がぐらつくかというと、足の長軸方向のアーチが潰れている=へん平足だから、着地のときに下腿が内側に傾いて回転してしまう。
何でへん平足かというと、それだけ年を重ねたから(がっくり)。
というより、素足ででこぼこ道を歩くわけでなく、平らな道を歩いてばかりいるからそうなってしまうこともあるんだそうで。
普通はここまで説明しないんだそうだが、こちらも(それなりに)MedicineのProfessionalだからということで、ちゃんと理解してほしいからと言われました。
うー、勉強不足です。頑張ります。
第2週目
普段の生活や普通のスクワット トレーニングをしていると、四頭筋の主に大腿直筋、外側広筋、中間広筋は鍛えられるが、膝のぐらつきを抑えるには内側広筋を鍛える必要があるとのことで、マシーンを使ったトレーニング。
それに加え、上半身の筋トレとインターバル ランニング。
1時間のトレーニングで、最後には「膝が笑う」ほどくたくた。
超スパルタです。こんなにトレーニングしたのは、学生の時以来でしょうか。
日本語では、膝が笑うって表現するんだと言うと、うまい表現だなぁーって感心してました。

第3週目
へん平足を矯正するため、新兵器登場。
これは、靴の中敷きにプラスチック製の矯正器具がついたもの。
Vectorthoticsというもの。
足の土踏まずの部分がしっかりと形成されており、踵の内側や外側、足底筋膜に直角方向にもパーツを付けて、足の傾きを変えることができるように設計されています。
私の場合には、まず踵の内側に角度2度の矯正パーツを付けて走ってみることに。
走り始めて約1kmで、明らかに膝の感触が違う!
今まで膝の外側に荷重がかかっていたのが、今度はどちらかというと内側にかかります。また、着地時点での踵(外側)からつま先(内側)方向への力の流れが、進行方向と同じになっているのがわかります。
すごいー。 いろんな意味で、凄い。
たった2度、高さにすると5mmにも満たないパーツで、足の裏はおろか、膝、股関節まで感触が違います。
人の体は、本当に複雑で、でも単純で、とても不思議です。
新しいインソールにしてからというもの、膝の外側の痛みはすっかり消えてなくなり、走るスピードも上がり、走行距離も伸びました。
膝関節の構造からして、膝がぶれないような屈曲運動は、ほとんど関節に負担をかけないということも理解できましたし、それがほんの少しでもずれると、途端に炎症を引き起こす原因になるということも、身をもって体験しました。
欧米には、Podiatristという足の専門家がいます。こうした矯正器具も、そうした専門家が開発しているようです。
私のPersonal TrainerはアメリカでSports physiologyを勉強し、現在はフリーランスで仕事をしていますが、毎日びっしりスケジュールが埋まり超多忙。 Fitnessに行くと、いつも彼がだれかの指導をしていますが、顧客の目標やニーズに合わせて、メニューを組んで、応援しつつ、指導しています。
なるほど、Healthcareの専門家というのは、こういう形での仕事もあるんだなぁと、またひとつ興味の対象が増えました。
さて、現在のところ、NIKE+iPodとともに約340kmを走破しました。
以前のBlogで紹介した地図によると、東京を出発し、房総半島を一回りし、もう少しで水戸に到着です。
暖かくなってきたし、日も長くなってきたし、足も痛くないし、もっと走れそうです。
これは大腿四頭筋の筋力不足と筋膜張筋のしなやかさが足りないと判断して、筋トレとストレッチを綿密にやってみました。
が、相変わらず膝の痛みは治まらない。走るにも走れず、鎮痛剤内服+外用、お灸をすえてもだめで、Sports physical therapyに行ってみたけど、それでも良くならない。
Runners knee と言われる腸脛靱帯炎(Iliotibial band syndrome)と言われるものともちょっと違うし、膝関節内というわけでもないし、うーん、困った。
あれこれText読んだりしていても、どうも原因が分からない。 情けない。
そこで、これはやっぱりProfessionalに聞くのがいいと考えて、通っているFitnessのPersonal sports trainerに頼ってみることにしました。長距離・トライアスロン専門で、栄養学にも精通しているというTrainerです。
見るからに筋肉隆々、贅肉なんて一切ない、根っからのスポーツマンという感じ。
初回。
まずは走り方のチェックと、基礎筋力、持久力のテスト。
片足でスクワットをしたのを見ると、彼がバーベルの重りを抱えてきました。そのバーベルの端に足底の内側を乗せ(つまり、外側に足首を捻挫しそうな形)にして、スクワットをするように指示してきました。
やってみると、あら不思議。
スクワットをすると内側に回り込んでいた膝(特に痛い左側)が、足の指の方向にきちんと曲がるではないですか! で、彼が一言。
へん平足なんだね。これで痛みの原因もわかったし、トレーニングの方法も組みあがったよ。
おおー! すごい! ほんとですか!
さっすがProfessionalは、違う。すっかり信頼してしまいました。
でも、へん平足って言われて、結構ショック。。
私の膝の痛みは、詰まるところが、膝を曲げると下腿がやや内側に回転し、膝蓋骨が外側に移動、それに伴い大腿骨遠位端と膝蓋骨が走るたびに摩擦したため、ということ。
何で、下腿がぐらつくかというと、足の長軸方向のアーチが潰れている=へん平足だから、着地のときに下腿が内側に傾いて回転してしまう。
何でへん平足かというと、それだけ年を重ねたから(がっくり)。
というより、素足ででこぼこ道を歩くわけでなく、平らな道を歩いてばかりいるからそうなってしまうこともあるんだそうで。
普通はここまで説明しないんだそうだが、こちらも(それなりに)MedicineのProfessionalだからということで、ちゃんと理解してほしいからと言われました。
うー、勉強不足です。頑張ります。
第2週目
普段の生活や普通のスクワット トレーニングをしていると、四頭筋の主に大腿直筋、外側広筋、中間広筋は鍛えられるが、膝のぐらつきを抑えるには内側広筋を鍛える必要があるとのことで、マシーンを使ったトレーニング。
それに加え、上半身の筋トレとインターバル ランニング。
1時間のトレーニングで、最後には「膝が笑う」ほどくたくた。
超スパルタです。こんなにトレーニングしたのは、学生の時以来でしょうか。
日本語では、膝が笑うって表現するんだと言うと、うまい表現だなぁーって感心してました。
第3週目
へん平足を矯正するため、新兵器登場。
これは、靴の中敷きにプラスチック製の矯正器具がついたもの。
Vectorthoticsというもの。
足の土踏まずの部分がしっかりと形成されており、踵の内側や外側、足底筋膜に直角方向にもパーツを付けて、足の傾きを変えることができるように設計されています。
私の場合には、まず踵の内側に角度2度の矯正パーツを付けて走ってみることに。
走り始めて約1kmで、明らかに膝の感触が違う!
今まで膝の外側に荷重がかかっていたのが、今度はどちらかというと内側にかかります。また、着地時点での踵(外側)からつま先(内側)方向への力の流れが、進行方向と同じになっているのがわかります。
すごいー。 いろんな意味で、凄い。
たった2度、高さにすると5mmにも満たないパーツで、足の裏はおろか、膝、股関節まで感触が違います。
人の体は、本当に複雑で、でも単純で、とても不思議です。
新しいインソールにしてからというもの、膝の外側の痛みはすっかり消えてなくなり、走るスピードも上がり、走行距離も伸びました。
膝関節の構造からして、膝がぶれないような屈曲運動は、ほとんど関節に負担をかけないということも理解できましたし、それがほんの少しでもずれると、途端に炎症を引き起こす原因になるということも、身をもって体験しました。
欧米には、Podiatristという足の専門家がいます。こうした矯正器具も、そうした専門家が開発しているようです。
私のPersonal TrainerはアメリカでSports physiologyを勉強し、現在はフリーランスで仕事をしていますが、毎日びっしりスケジュールが埋まり超多忙。 Fitnessに行くと、いつも彼がだれかの指導をしていますが、顧客の目標やニーズに合わせて、メニューを組んで、応援しつつ、指導しています。
なるほど、Healthcareの専門家というのは、こういう形での仕事もあるんだなぁと、またひとつ興味の対象が増えました。
さて、現在のところ、NIKE+iPodとともに約340kmを走破しました。
以前のBlogで紹介した地図によると、東京を出発し、房総半島を一回りし、もう少しで水戸に到着です。
暖かくなってきたし、日も長くなってきたし、足も痛くないし、もっと走れそうです。
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