27 February 2008

あー、わかるわかる

 へんちくりんな日本語 3連ちゃんの最後は、ManchesterにあるChina townのお店から。

ManchesterのChina Townはあまり大きくなくて、小さな公園の周りの一角が中華・アジア・日本料理屋で囲まれている、という感じです。

これは、Chinese New Yearの時に撮ったもの。 たくさんの人出でにぎわっておりました。







 さて、そんなChina Townの一角にあるお店のメニューで、また微笑ましいへんちくりんな日本語に出会ったので、パチリ。

 Meatと書いてある下に 「内類」 と書いてあります。 

 あー、そうよね、「肉」って書きたかったのよね。
 わかるわー。

 でも不思議ですね、中国でも「肉」っていう漢字を使うと思うんですけどもね。肉を食べるというのは、吃肉と書きますしね。

 このメニューは、どうやら日本人がお手伝いして翻訳したのかなと思われるような、手書きの日本語が印刷されていて、「汁物」とか「季節のサラダ」とか、ちゃんと訳してあります。「土びん蒸し」も書かれていますね。 でも、どんな味なんだろう、、

 ちなみに、1ポンド210-220円くらいですから、味噌汁1杯が800円くらいします。 
 だとしたら、先ほど紹介した「あつい」インスタントみそ汁でも、いいかもしれないなぁ。。


 

しなさい って言われても、、

 へんちくりんな日本語 3連ちゃんの2つ目は、前からずっと不思議に思っていた製品がらみ。

 Manchesterに来てから、パーカーとかのフードに「へんちくりんな日本語」のタグがついたものを着ている人をよく見かけていて、いったいそれはどこで手に入れたんだろうと、不思議に思っておりました。

 で、ManchesterのCity Centreにあるショッピングモールにそのお店はありました!

 名前は 「SuperdryStore 極度乾燥(しなさい)」 !!!!

 
 ちょっと見にくいのですが、「極度乾燥」のあとにカッコに入って「(しなさい)」って書いてあるんですね。
 どっちかっていうと、「超乾燥してよねっ!」って感じでしょうか。

 見つけたときには、思わず嬉しくてシャッターを切りましたが、なんでそんなものを撮っているんだと、周りのお客さんは不思議そうな眼でこちらを見ておりました。

 このお店は、若者向けカジュアルファッションのお店で、結構お客さんが入っています。
 意味、わかってますかぁー

 乾燥、しなさい!って言われても、ねぇ。。

 いつも不思議なのが、こうした「日本語」を使う時に、知り合いなどの日本人に意味を確かめてみたらどうかなーって思うのですが、あんまりそういうことはしないんでしょうか。 それとも、この笑っちゃう感じをわざと残しているんでしょうか。だとしたら、かなりウワテですね。
 

ここまでやるとは、あっぱれですね

 へんちくりんな日本語 第2弾です。
 3連ちゃんで行ってみたいと思います。

 これは、Manchesterの大学の近くにあるChinese Supermarketで売っていたもの。

 その名も 「あつい」 という名のインスタントみそ汁。
 
 ここまでパクられると、なんというか、その勢いに脱帽です。
 さすが中国だ、と思ってしまうのは、私だけでしょうか。













左: お店に売っていたもの   右: 永谷園の「本物」

 ちょっと怖くて、買って味見をする勇気はありませんでした。。。
 

24 February 2008

日本の医療文化の持つ力

 Dissertationのテーマを決めなくちゃぁいけない時期になってきた。
 相変わらず、どうしようかな、どうしようかなの繰り返し。
 Dissertationを仕上げるためには、8カ月しかない。8か月で研究をして書き上げないといけない。

 コースがスタートした時には、まぁ、8カ月もあればなんとかなるかなぁなんて思っていたけど、色んなものの考え方、理論、研究を見聞きすればするほど、これは大変なことになってきたぞと思うようになってきた。頭の中でこんがらがったままになっているものを、なんとかほどこうとするのだけれども、ほどいているそばから、またこんがらがった塊が出来上がっていく感じ。

 でも、なんとかして「日本の医療に根差す文化とその利点」を明らかにすることができないだろうか、何か、少しでも普遍的なものを見出すことができなだろうか、見いだせなくともその足掛かりとなるようなものを見つけ出せないだろうか、そんな風に考えている。
 そうすることで、バッシングの嵐の中でも踏ん張っている臨床家たちの功績を見出したい、「よしまた明日から頑張ろう」と思えるような要素が、きっとあるはずだ。

 「何で日本人は長生きなのか」

 この問いにこたえるには、あまりにも関連する分野が多くなりすぎて、とてもじゃないけど始末に負えるものではない。よく言われるのは食生活が素晴らしいからだということ。けれども、日本で長く行われてきた独特の医療システムがきっと何らかの形で貢献しているに違いないと思う。
 欧米の規定するシステム論と比較して、Managementの分野では日本の医療システムに当てはまらない部分が本当に多いのだけれども、ひるがえって、そうした欧米のシステムにはないものがあるからこそ、だからこそ今のOutcomeにつながっているんじゃないだろうか。

 日本人はとても真面目で、勤勉だし、仕事がとても丁寧だ。 これは、本当によく耳にする。
 Managementを扱っている研究者で親日派の方たちからは、特によく言われる。

 製造業でのmanagement手法まで確立されたものではないにしても、日本の医療の現場で医療従事者によって日々おこなわれている要素の中に、日本の医療を支える何かがあるはずだとおもう。
 
 でも、研究するとなると、何か非常に範囲の狭い、かなりSpecificなResearch questionに落とし込まないといけない。 さて、それをどうするか。。

 感覚的にぼんやりとしているものを、いわゆる科学的な研究手法に落とし込むという作業。
 本当に、なんて難しいんだと泣きたくなってくる。
 たとえ非常にSpecificなものを明らかにしたとて、とてもそれを一般化することは難しい。
 けれども、「それが知を積み上げるということなのだよ」という教授の言葉を支えに、前に進もうと思う。
 

13 February 2008

異文化交流

 今日は授業の後に、イタリア語のクラスにでて、そのあとクラスメートのパキスタン人K君とNさん(超美人です。モデルみたい)とクウェート人のA君と日本人の私で夕食に出かけました。

 向かった先は、Manchester のCity Centerから西にあるSulfordというところ。
 K君の車で出発したのですが、High wayで道を間違えたりとか、あっちこっちぐるぐる回って、結局バスで20分のところに向かうのに、40分くらいかかりました。

 でも、その間の車の中で、普段なかなか話せないことだったり、お国柄の話だったり、食べ物の話だったり、夕方でだいぶ頭が回らなくって英語に苦労したけど、かなり楽しい時間でした。

 食事をしたのはパキスタン料理のお店。
 テーブルが80席くらいはあるかと思われる、とんでもなく広いバイキング形式のお店。
 入った瞬間、ものすごい香辛料のにおいで圧倒されるくらい。

 お客さんはサリーを着たパキスタンやインド人に交じって、誕生日会をしている白人が多い。
 食事中に「Happy Birthday to You---!!」って大声で歌っていて、お客さんたちからも拍手をもらっている。

 やっぱりここでも「並ぶ」のは英国って感じですが、お皿を持って順番に30種類くらいある料理の列を順番に回っていきます。みんな山のようにサラダ、ケバブ、ピラフ、カレーを盛り付けています。
 
 あんまり辛い食べ物が得意ではないので、サラダと少しの鶏肉のケバブ、ライスとラム肉のカレーを盛り付けてテーブルに戻ると、ほかの3人は山もりのお皿に加えて、別皿で大量にサラダを持ってきていました! ものすごい勢いで食べているので、圧倒されていると、A君から一言。
 
それしか食べないの? 調子悪いの?

い、いや、そうじゃなくって、これが普通なんです。 
この量で充分です、はい。
そんなに食べたら、胃がやられてしまいます。

 私が一皿食べる間に、彼らは2往復していました。ものすごい食欲です。もう、圧倒されます。
 彼らだけではなくて、周りのテーブルのお客さんたちも、ものすごい量を食べています。圧巻です。
 
 Nさんは、美人なうえに超スタイルもよくって、それなのに、ものすごくよく食べます。
 思わず、「そんなに食べてスタイルって、どうやって保ってるの?」と聞くと、普段は野菜が中心だけど、こういう時には、思う存分食べるの。だって、ダイエットって、楽しみがないとやってられないでしょ?とのこと。 あー、そうですか。 普段たくさん食べてなくても、食べられる体なのね、うらやましい。

 それだけ大量に食べた後、彼らは私が食べ終わるのを待って、今度はデザート。

 ケーキにアイスクリーム、それにパキスタンの伝統的なお菓子まで。
 私はもう要りませんというのを聞きもせず、ショーウインドーから私の分まで選んでくれます。


 このGULAAB JAMUNというお菓子は、あり得ない位に甘ーいのです。パンを細かくちぎって練乳に浸して、それをパンでくるんで揚げパンにして、それをはちみつとシロップに付け込んだ、みたいな、そんなかんじ。一口食べて、あまりの甘さにむせてしまったほど。

 お国では、大量に食事をした後に、軽く2個は食べるんだそうです。

 あー、どうりで。
 さっき「1個ください」ってコックさんに言ったら、「ええぇ?1個でいいの、本当に?」って聞かれたのは、そういうことなんですね。

 食事の最中には、授業の話やAssignmentの成績の話、イスラムについて、日本の医療や文化、政治についてなんていう真面目な話から、お国料理の話、民族衣装の話、そして当然?ながら恋愛についてや結婚観や人生観など、たくさん話をしました。

 イスラム圏の男性は、本当に、なんというか、女性をリードすることが当然なようで、ぬかるむ道を歩くときには女性たちを気遣ったり、料理を持ってこようとすると「いいから、いいから座っていて。それは僕の仕事だよ。」と、なんともSweetなことを言ってくれます。
 彼らに言わせると、たとえ友達でも「女性を守る役回りをするのが男性」というのがイスラムなんだそうで、イスラムについて、もう少し知るとおもしろそう です。いいから言うことを聞けというタイプの典型的な男尊女卑という感じではなく、ごく自然に役割を分担するのがイスラムだと言っていました。

 そんな中で、K君から言われたのは、
 僕にとって、Tag(私のこと)は、日本からの親善大使だからね。授業中でも、こうして話をしていても、それが全部「日本」をあらわしているんだよね。
 って言われて、あーなるほどねーって思いました。

 確かに、私にとってはK君やNさんがパキスタンを知る糸口になって、彼らのありようが「パキスタン」なわけで、A君の考え方や信念が「クウェート」なわけで、当然彼らにとっては、私の言動が「日本」なわけですね。 

 授業に出る時にはパソコンを持っていって、そこに書き込んでいたりとか、なんでもデジカメで撮ったりとかしていると、「やっぱり日本人だねー」って言われていたのは、そういうことなんですね。
 日本 = デジタル+ハイテク っていうのが、すっかり当然のように思われています。
 パソコンやネットのことで分かんない時には、Japaneseに聞け、みたいな。

 それに、Managementを勉強していると、必ずTOYOTA方式だの、KANBAN方式だのが出てくるので、そういう時には、たいていその根底に流れている文化的背景について説明するように促されるので、大げさな話ではなく、私の口から出たことが「日本」を象徴することに、いい意味でも悪い意味でも、なるんですね。

 よく、海外に出るとより自分の国のことについて目が向くようになるといわれますが、確かにその通り。
 自国の統計学的データから、自分の専門分野についての法律や制度について、歴史や宗教や様々な文化について、政策やその政策の背景にある歴史的事実の解釈などについても、「あー、もっと勉強しておけばよかったー」って思うことがしばしばあります。
 知っていれば、もっとたくさんのことを伝えられるし、自分の中でもほかの文化圏を知る手がかりとなります。 歴史がからきしだめなので、彼らの国で何かがあった時代に、日本ではどうだったのかというのが頭に浮かんでこないので、話が広がらなくて面白くない。 うーん、今度は歴史の勉強か?!

 帰りの車のなかで、すでに次回の食事会についての話になり、今度は私がお店を探してくる番に。
 おいしい日本料理を食べてもらいたいんだけど、なかなかManchesterにはないしなー っていうと、じゃぁ作ってよ!と。  ええぇ、、それは無理です、ごめんなさい。ここでも、また反省。。。

 ということで、次回は中華に決定。
 
 

そうだった、そうだった。

 大学院での授業も第2タームに入っているにもかかわらず、相変わらず授業は「わかった!」レベルからは程遠いくらいしか理解できない感じなんだけれども、そろそろ修士論文Dissertationの内容を考えないといけない時期になってきている。

 確かに、今受けている授業の内容も、手に取る本の内容も、「あぁ、こういうことが知りたかったんだ」って、分かんないながらも、わくわくしながら取り組めてはいる。
 「そういうことだったのか!」あるいは、「そんなのはあくまで理論でしょ?」なんて考えながら、過去の博学者たちが積み上げてきた知識に学ばせてもらっている。

 少しずつ、Healthcare Managementの中でも、特にどの分野が自分のアンテナに引っかかってくるのか、わかってきている。
 世界と比較した時の、日本の医療の特異点、優れた点、あるいは、弱点や将来に向けての変化にかかわるであろう内容も、やっぱり引っかかってくる。 
 英国にきて、いかに日本の医療が、世界とはだいぶ違う形で、かなりユニークな形で回っていて、しかも世界一になっている、ということを、毎日考えている。

 あまりにも、政策だの、組織運営だのという、かなり大きな枠で医療というものをとらえることが多いので、ついつい、Dissertationの内容も、政策にかかわるような大きなものになりがち。
 日本に、Healthcare Managementって、本当に要るんだろうか?
 もしかして、今まで世界で使ってきた手法は使えないんじゃなかろうか?
 何か、新しいもの、あるいは、だいぶ変化をくわえたものが必要なのか?
 
 なんて、だいぶ「でかい話」になってきてしまっている。

 どうしようかな、どうしようかなと、もんもんとしても始まらないので、とりあえず思いつくままにポストイットにアイデアを走り書きして、壁に貼り付けている。
 そのうち、なんとなくアイデアの島ができて、KJ法みたいになっていくかなぁ、なんて思ってる。


 去年のちょうど今頃、一人の医師として、家庭医として、目指すべき大きな目標だった方が突然他界され、世界を駆け巡る風となった。 家族でもないのに、何かあるとぽろぽろ泣いていた。

 そんな偉大な医師を偲ぶ会が日本で開催されて、その感想が、偉大な医師の形見となったメーリングリストで流れてきている。
 大ベテランの医師の、研修医の、学生の、心に響いたことが書いてある。
 どれも、その人の心が動いたというのが見えるような、そんなメール。

 あぁ、そうだった!
 あたしは、家庭医だった。 っていうか、今でも家庭医であり続けたいと思っている。
 その患者さんの感じる幸せ度が上がるような、そういう医師でいたいと思う。
 あなたに出会ってよかったと、そう言っていただけるような、そういう医師でありたいと思う。

 なんだか頭でっかちで、すごく大枠でものを考えがちになっていたけど、そもそも何でここへきて勉強しているかって、家庭医の眼から見て、なんとかしたいと思ったからだったんだ。
 日本で毎日診療にあたっている、地道で、真面目で、心が優しくて、一生懸命勉強して、それで身を削るように働いている、プライマリ・ケアを提供する医療者の現状を、どうにかサポートできないかと、思ったからだった。
 患者さんがいて、その家族がいて、その家族が住む地域があって、そこに医療者としてスタッフたちと一緒に医療を提供してきた、そういった経験の中で、自分の中からムクムクと湧き上がってきた気持ちに後押しされて、英国にきて勉強したいと思ったんだった。

 そうだった、そうだった。 
 
 少なくとも、私が出会った医師や看護師、薬剤師、放射線技師、検査技師などの医療専門職の人たちも、受付の事務の人から、ケアを提供するヘルパーさんも、地域で活動しているボランティアの人も、みんな、なんていうか、「何でそこまでしてあげられるんだろう」と思うくらいに、本当に患者さんを何とかしたいと、活動していた。

 でもなぜか、どうしてか、行き詰まったり、満足度よりも心理的疲労感が強くなったり、とにかく上手く回らないことも、多かった。 そんな行き詰まりのために、やりがいや達成感が、そがれてしまうことが目につくようになった。自分自身も、なんだか患者さんとのことよりも、事務的なことだったり、仕事の流れ方だったり、そんなところにストレスを感じたりして、とても心に余裕のない時期を過ごすこともあった。

 それを、どうにかできないかって、思ったんだった。
 それを、システムという形でサポートできないかって、思ったんだった。
 いい医療を提供しようと頑張る人たちの気持ちを、少なくともへし折ることのないような、そんな医療組織の在り方があってもいいんじゃないかって、そう思ったんだった。

 そうだった、そうだった。

 さっそくポストイットに書いて、張っておかなくちゃ。

 やっぱり、理詰めでものを考えるのは苦手だ。
 中から湧いて出てくる気持に、あとから理由を加えたって、まぁいいか。
 湧き出てくるものが何なのか、しっかり耳を傾けて、それで何か新しいアイデアにつながるように、きちんと説明できるように、形にして行けたらなって、そう思う。

 またもや、偉大な医師の残してくれたメーリングリストに、気付かされた。
 先生、ありがとう。 聞こえていますか。
 先生に出会えて、本当によかったです。

10 February 2008

天気のいい日は、お弁当を持って

 こんな青い空って、英国でもあるのねぇっていうくらい、今日はとってもいい天気でした。

 明日の授業の予習をしようと思っていたけど、窓の外の青空を見ていたら、「それどころじゃない!」って気分になって、ばたばたとサンドイッチを作って、行き先も決めずにとりあえず外出。

 ManchesterのChina townではChinese New Year Eventでかなりの人手。
 みんな、龍の頭を薄紙で形どってあるおもちゃを手に、露店を練り歩いていました。

 うーん、ここで時間を過ごすのもいいんだけど、なんかもうちょっと物足りない。

 横浜の中華街のように、龍が玉石を取ろうとする舞を見せてくれたりとか、そういうのはないらしい。
 でも、30人くらいで太極拳をやってました。


 さて、どこに行こうかなーと思って、とりあえず駅に向かって、いつもの光景とまるで違う「青い空」に、思わず一枚。

 ということで、今日は「写真を撮りまくる日」に決定。

 Londonに向かう途中に、いつも小高い丘の横を電車が通り過ぎていくのだけれども、その丘の近くの駅に行ってみよう!ってことで、Macclesfieldに行くことに。




 駅は、改札も一つしかないようなちっちゃな駅で、バス停もどこにあるか分からないくらい。

 でも、目の前にはいつも電車から見ていた「英国の丘」が広がっていました。

 うあぁー、気持ちいいー。 太陽万歳ですねぇー。


 この近くに、国立公園があったような気がするーと思って、あちこちに聞いて回ったけど、結局、どのバスに乗ればいいのか分からず、まぁ、行き当たりばったりだからしょうがないと思って、高台にあった教会を目指すことに。

 苔むしてしまうほどに古い石でできた階段を上っていくと、小高いところに教会はありました。
 ちょうど、丘の一番端のところに位置していて、教会から四方に道が伸びていく格好になっていました。

 この教会は、St. Michael's Church というそうで、1220年ごろに最初に建てられて、その後何度か補修や増築を繰り返して、1900年ごろに今の形になったそうです。それでも既に100年以上。
 1220年ごろって、日本で言うと、’いい国作ろう’の鎌倉幕府の時代ですね。

塔のてっぺん近くの彫刻に見とれていて、ふと足元を見て、びっくり。
これって、「墓石」ですよね?

なんだか、ふみ歩いてしまって、とっても申し訳ない気持ちになってしまいました。
でも、この時代の人たちの寿命ってどれくらいだったんだろうと興味が出てきて、あっちこっち見て回りました。

1700年代の墓石が多くて、10―20代から40代ごろで亡くなっている方が多かったかな。 うーん、人生50年って言われいた時代のものですねぇと一人で納得。

 英国の街を歩いていると、本当に空が近くに感じる。
 高層ビルなんてものが、都心以外にはほとんどなくて、広い丘陵が続いているからなのかもしれない。
 空が近くに感じられるのに、なんだかとても「地に足をつけている」感じも同時にする。
 地面からの、大げさに言うと地球からのエネルギーみたいなものをとても感じる。
 建物も木々も苔むすほどに古くて、長くそこにあったものが多く、続いてきた時の中でそこに行きかう人たち、街並みをずっと眺めていたんだろうなぁなんて、そんな気になる。

06 February 2008

Pre-Masters Programme

 さて、ちょうど一年くらい前にHealthcare Managementを勉強するには英国に行くのがよさそうだ、という結論に達しました。。
 その後、もし合格したってことになって、入学したはいいが卒業できるのかいな?と思った私は、それまで英語のレベルアップのために通っていたBritish Councilと英会話のGABAをやめて、British Education Office(BEO)にてPre-Masters Programme(PMP)に通うことにしました。

 British Councilにも、EduUKという大学院進学専用のプログラムがあり、そこでも願書提出などの相談やクラスの優先予約などのバックアップをしてくれます。また、集中講座が開かれるとのことでもありましたが、参加していないので詳細についてはよくわかりません。

 最終的に留学前のSkill UpとしてBEOPMPを選んだ主な理由は、
  • NCUK (Northern Consortium United Kingdom)の正式に認めたProgrammeであり、NCUK所属の大学院への入学保証があったこと。(Manchester大学はその一つ)
  • PMPのクラスは、毎日開講されてすべて英語で授業が行われること。
  • 英国の大学院へ行った時のAcademic Skillが学べるらしいこと。
  • 英国に行ってからファウンデーションコースに入るよりも、費用が安くて済むこと。
 がありました。
 結果として、選択は間違っていなかったと思っています。

 コースは3月から8月までの5ヶ月間。月曜日から金曜日まで、朝9時から夕方までびっちり授業です。
  もちろん、それまでお世話になってきた職場にも同僚にも患者さんにも、ごあいさつをしながらお別れをしなくてはなりませんでしたので、とっても切なかっ たことを覚えています。それに、Professional Careerが途切れてしまうこと、英国で学んだことを生かせるような仕事に就けないかも知れない、、などといろいろ考えていた時期でもありました。
 それでも、このPMPに参加したことで、英国に来てから勉強するぞという準備は十分整った状態で臨むことができたので、本当によかったと思っています。

 クラスメートは、男女半々で、半分は大学卒業直後、残りはさまざまな職業を経験した仲間から構成されていました。個性豊かで、みんな希望と信念を持っていて、出会えたことに本当に感謝です。

 授業は、Academic Writing/Reading/Listening/Speaking、英語でのManagement, International Relationsについての授業、Research Method、英国についての基礎知識、その上に、DissertationのためのProposal writingがあり、5000wordsのDissertationが卒業課題としてあります。
 また、IELTS対策の授業もありました。
 
 500WordsかそこらのPersonal Statementを書くのに数カ月もかかっていた私にとって、最初の宿題である250wordsのEssayですら、とってもキツかった。。 その後、International RelationsがらみでGlobalisationについてのTheoryや、Sustainable Developmentについて2000wordsのEssay課題が出たときには、もう、苦しくて苦しくて、胃潰瘍ができるほどでした。 

 これまで、医学関連の論文ですら英語で読むのが泣くほど苦痛だったのに、社会科学系の教科書や論文を毎日大量に(といっても、1日15ページかそこらですが、当時の私には大量でした)読んだり、今まで使ったことのなかったDatabaseを使ったり、Academic styleの言葉の言い回しや、文章全体の構成などに慣れたり、何しろすべて手探りの状態でした。

 ただ、苦しかった分、本当の英国大学院でのAssignmentへの取り組みについては、どうすればいいかについて既に分かっている分、だいぶ心持が楽でした(どっち道大変なことは分かっていましたから!)。

 PMPの教育のいい点として、WritingにしてもReadingにしても、少しずつボリュームを増やしていくこと、それに加えて、学習者が新しく習ったAcademic Skillsをすぐに課題としてOutputし、そこに丁寧なFeedbackが返ってくること。 こうすることで、Kolb's Learning cycleがきっちり回るというのが挙げられると思います。
  • Watching:たくさんの文章を読んだり、授業で例文に触れる
  • Thinking:その背景にある理論や構成について考える
  • Doing:実際にEssayを書いてみる
  • Feeling:Feedbackを受けて次への道筋について思いめぐらせる
 語学を習う上での4つのSkills、Speaking, Listening, Reading, Writingのそれぞれで、あらゆる授業の場面や課題を通じて、improveするように計画されているように感じました。

 Research Methodでは、Projectとしてチームで課題に取り組んで発表したり、あるいはPresentationをしたり、そうしたことを通じて、InternetやDatabaseの検索、Microsoft Word, Excel, Powerpointを使う事はお手の物というところまで到達する。さらに、社会科学系の統計ソフトであるSPSSの使い方まで教えてくれる。 Essayを書く上で欠かせないCitationやPlagiarismについての考え方、Bibliographyの書き方など、懇切丁寧に、何度も繰り返し授業で取り上げられる。
 まさに今の大学院での学習に必要なスキルをほぼすべてについて網羅しているように思えるほど。

 それに、授業を担当してくれる教師人達は、みな英語教授法を身につけて十分な経験を持った人ばかりで、しかも、時間外にまで相談に乗ってくれて、とにかく無事にProgrammeをこなせるように応援してくれる。 その間に、志望大学とのやり取りや願書などの事務手続きについては、カウンセラーがサポートしてくれる。 

 おそらく、この5か月がなければ到底、Manchesterに来て、これまで生き残れなかったんじゃないかと思う。 

 実際、今の大学院でのクラスメートの中には、Powerpointが使えないとか、Databaseが選べないとか、Academic writingやSkillsが全くわからないなど、母国において英語で高等教育を受けていたとしても、習っていなければわからないという人たちがたくさんいて、本当に驚いた。
 英語が公用語でないというハンデを、十分乗り越えられるだけの技術と心構えと知識を、PMPで過ごした5か月で教育してもらったように思う。
 
 別にNCUKからもBEOからも何かもらっているわけではないけれども、もし英国大学院への留学を考えていて、その前に5ヶ月間(あるいはパートタイムなら1年間)時間があるのであれば、英国大学のファウンデーションコースに行くよりも、PMPで学ぶ方がきっと充実した時間を過ごせると思う。

 もし私の友人が、英国大学院に進学したいというのであれば、間違いなく受講を勧めたい。
 しかも、かなり強引に説明会に連れて行って、口角に泡を飛ばして説得するに違いない。
 

英国の大学院への願書提出

 どうやらGoogleで検索して、留学準備のために情報を集めている方からのアクセスが増えているようなので、去年の今頃「バッタバッタ」しながら進めてきた留学準備について、書き進めていきます。

 英国の大学院の募集要項(Prospectus)は、HP上に情報がほぼすべて網羅されています。
 メールを送ったり、HPから依頼を出すと郵送もしてくれますが、環境への配慮?!ということで、多くはpdf形式になったものをDownloadして比べました。

 多くの大学院の締め切りは在ってないようなものですが、大学のScholarship(奨学金)をもらうようであれば、早めの提出が望ましいようです。オックスブリッジは、締め切りが早いようです。

 願書提出にあたっては
  • 所定の願書への記載
  • 推薦状(多くは職場の上司からのReferenceと一番最近の大学教授からのAcademic reference)
  • Personal Statement
  • 資格保有者であれば、Certificationの英訳文書
  • 大学卒業証明書、成績証明書(双方、英訳されたもの)
  • TOEFLあるいはIELTSの証明書
  • CV(Curriculum Vitae):英文履歴書
 なんかが必要になってきます。

*まず、願書。
 
 大学のHpからダウンロードして、何度も書き直したりしました。このときには、British Councilに英語のクラスで通っていたので、留学準備の一環として添削をしてもらったりしました。
 一度書いてしまうと、あとはほとんど内容は一緒なので他大学の願書に移したりできます。

*推薦状について。

 私の場合は、大学卒業からずいぶんと時がたってしまっていた事、大学卒業後には大学とまったく縁がなかった事と、医師としての卒業後の専門課程をAcademic educationとみなしてしまえってことで、この学びを支えてくれた2人の上司兼指導医にReferenceを書いていただきました。(大・大感謝です。)
 直接大学へ送付するよう指示されている場合と、願書などと一緒に提出するようになっているところ、あるいは、大学から直接Refereeに連絡が行く場合があるようです。

*Personal Statement

 これが何しろ厄介でした。 自分は何者で、何をこれまで学んできて経験してきて、何をもってして大学院で学びたいのか、その後どういったキャリアを目指したいのか。 また、大学に対してどんなことが貢献できるかなどなど、明確に、かつ、売り込まないといけません。
 アメリカの場合であれば、かなり「大げさな」位に自分を売り込むようですが、その辺は英国への描き方というものがあるらしい。 Personal Statementは、British Councilと、British Education Officeの両方で添削してもらいました。
 もちろん内容については、一切添削してもらえないので、あくまで文法や動詞の使い方などについての添削のみです。 今から自分の書いたものを読み返すと、まぁ、なんてひどいんだと、おののくほどです。。

*Certificationなどの英訳
 
 医師免許の場合は、厚生労働省の医政局 医事課 試験免許室 免許登録係 なる所へ申請書などを提出し、約1か月ほどで英文訳されたものが郵送されてきます。費用は無料です。
 詳細は、以下を参照してください。

  電子政府の総合窓口:  医師等医療関係資格者の英文証明書申請手続

*大学成績証明書、卒業証明書

 これは、大学の総務や学生課などに問い合わせると、対応してくれます。
 費用などについては、母校の所定の課に問い合わせてくださね。

*TOEFLあるいはIELTSの証明書

 英国の大学院であっても、おもにアメリカで使われているTOEFL(PBT, CBT, iBT)のいずれも受け付けてくれるところがほとんどです。 受験に際しては、Prometricという業者さんが一括して手続きをしています。TOEFLの日程や受験様式など、頻繁に変わったりしますので、試験勉強だけじゃなくてWebをチェックすることを勧めます。
 IELTSは、おもに英国圏で使われています。TOEFLとは若干試験の傾向が違いますけれども、細かい文法なんかが苦手な私には、こちらの方が問題は解きやすかったです。。(あくまで、個人的意見)。IELTSの受験は、British Councilが一手に引き受けてます。 5週間前には申し込まなくてはいけないので、あぁって気がつくと、受験日を逃すなんてことがあるので、注意です。。

 私の場合は、TOEFLでは大学院の指定のレベルに到達しませんでしたが、IELTSでパスしたので、なんとかセーフ、、 成績証明書は、IELTSの本部から直接大学へ送付するよう、British Councilに申込書を提出する必要があります。

*CV

 これもPersonal Statementに続いて、厄介でした。
 まず、願書に添付するものなので、大学院で学ぶ内容に関連したものをしっかり記載しておく必要があります。 ただやみくもに、時系列で職歴などを並べたものではいけません。
 Academic Career、Professional Career、と分けて記載します。Academic Careerには、大学卒業後にも継続して学びを続けてきたということがわかるように(見えるように)書きます。 
 Professional Careerも、どういった役職でどんな責任を持っていたかについて記載をします。
 また、時系列の新しいものから古いものという、日本とは逆の順序で記載します。
 さらに、論文や書籍、学会発表なども、内容が分かるように記載します。
 
 やっぱりこれも、British Education Officeで添削してもらいました。 すでにBritish Education Officeで開催されるPre-Masters Programmeへの入学が決まっていたので、その一環として添削をしてもらいました。

*英国への郵送

 郵便局からのEMS(国際スピード郵便)や、Fedex、DHLなんかで頼むのが確実かと思います。
 何しろ英国のRoyal Mailはあてになりません(新聞でも「昨年は紛失率が少なくなっており、進歩している」って言っちゃうくらいですから。 紛失ってどういうことだよ?って思いますけど。。)。
 ですので、送り出した後、Internetなどで追跡できるように、費用はかかりますがEMS等を使う方が確実に届いていることが確認できます。
 さらに言うなら、大学に書類が届いたあと、それがいったいどこに行っちゃったか分からなくなるなんて言うことも無きにしも非ずですので、「何月何日にお宅の大学へ届いたと確認しました」って言えるようにしておくぐらいがいいかもしれません。

 こうした「面倒」なサービスも、British Education Officeでカウンセラーの皆様が手続きをしてくださいますので、利用してみるといいかもしれません。

 私が一番最後に願書提出をしたのが、2007年3月に入ってから。 これはかなり遅い時期ですし、それも競争率の高い学校へ「ダメもと」で提出したものでしたが、Offerを受けることができたので、どうしても入学したいコースがあるようでしたらあきらめずに提出することをお勧めします。

Referenceづくり

 プリンターの調子が悪くて、カスタマーサービスに問い合わせて、いろいろやっていたら、USBのデバイスが吹っ飛んでしまい、CD/DVDも認識しなくなり、今度はPCのカスタマーサービスに問い合わせたら、

「システムの復元」をお願いします。

 ってことになり、がっくり肩を落としているところです。

 で、バックアップをしなくちゃならないし、これはいい機会だということで、PCの中にある昔のPCから持ってきた書類やら、ネットからダウンロードした論文やらを一気に処理しようと思い立ちました。
 つまりは、まだシステム復元まで至っていないということなんだけれども、ネットにつながっているので、とりあえずはなんとかなる。

 だいぶ前に使っていて、しばらくご無沙汰だった CiteULike に、PCの中のpdfを全部放り込もうと頑張っています。
 CiteULike http://www.citeulike.org/

 今になって気がついたのが、Citationの方法でHarverd Styleも選択できるし、あとからソートもできるとわかって、Assignmentの時に使えばよかったーと、またまた反省。
 Endnoteという専用ソフトもあるんだけど、高いのです。お値段が。

 今は大学院生なので、ほしい論文のほとんどが大学のアカウントで手に入るので、Downloadした論文を全部Uploadしています。 その数、すでに300越え。 Open Accessのものはリンクが自動的に張られるので、それ以外のものは手動でUploadしますが、PCも軽くなるし「あっちの世界」に置いてあるので、ネット環境さえあればいつでも読めます。 あぁ、なんてありがたい。

 それに、自分でタグをつけることができるので、自分の興味が一目瞭然。
 何年も前に取り込んでいた論文のリストを見てみると、おおぉ、これって今度の課題に使えるじゃん!なんて発見もあったり。

 すでに次のAssignmentの課題も出ていることだし、本当に「片っぱしから」放りこんでいく感じになりそうです。

 

05 February 2008

英国の野菜のおいしさを引き出そう!

 なんとなく疲れているんだか、あるいは、ベーコンを食べ過ぎたんだか、お野菜とお米が食べたくなったので、今日は、以前友達から教えてもらったサイトに書いてあった「重ね煮」なるものに挑戦しようと思い立った。

 「重ね煮」については、こちらの「わら」さんのところに詳しく書いてありますし、本も出ているみたいです。
 百姓屋敷 わら http://www.wara.jp/ka.html

 はしょって説明すると、つまりは、その季節その地域でとれる野菜を丸ごといただく、という料理法。
 特別な技術も、道具も、全然要らない。 どうやらいるのは、「ビタミン愛」なるものなんだとか。
 作る時に気をつけるのは、お野菜を一定の法則で層のように重ねていくこと。

 今日の材料は、
  1. ズッキーニ:冷蔵庫に入れっぱなし
  2. 大根:ずいぶん前に買ってほっとらかしになってた
  3. ネギ:ものすごく太くて(直径3cmくらい)これまた硬い
  4. キャベツ:ものすごくみっちり葉が重なって強烈に硬い葉っぱ
  5. ニンニク:芽が出そうになってる、、
  6. 玉ねぎ:中東食材のお店で買ったもの
  7. ジャガイモ:これまた硬くてホクホクしない
  8. カブ?:名前が分からないけど、カボチャくらい硬い
  9. ニンジン:スーパーで買ってきたもの
 これを、しっかり洗って、皮もそのまま5mm幅くらいにどんどん刻んで、「わら」さんのところに書いてあるお野菜の順番に、お鍋に入れていきます。
 

 直径40cmもあろうかというIKEAで買ってきたお鍋いっぱいになるくらいに野菜が入りました。
 その上に、お塩を適当に振って、ちょっと水を入れて、「おいしくなってねー」と手を合わせてふたをします。あとは弱火で(つーか、こっちは電気コンロなので2/6のメモリにあわせて)待ちます。

 その間、ご飯を炊いて、教科書片手に待つこと30分。

 おおぉ、全然焦げることなく出来上がり!しかも、野菜の色がきれい!

 わくわくしながら食べてみると、おおぉぉ!!! びっくり!!!
 キャベツがすごく甘くなってるし、ニンジンもうまみが増しているし、じゃがいもがちょっとホクホク感がしているし、美味しいぃぃぃ!!  
 ベーコンも、お出汁も、コショウもコンソメも使ってないのに、こんなにおいしいのは驚き。

 HPに書いてあったみたいに、本当にお野菜の持っているうまみが倍増って感じです。
 そのまま何もつけづに、まず一皿。 
 で、そのあとインスタントのおみそ汁の中にたっぷり入れて、ご飯と一緒にもう一皿。 
 うあぁー、こんなに美味しいんだったら、もっと早くから作るんだったぁ!!

 これを読んでる皆様、ほんと、超おススメです。おいしいです。簡単だし。
 料理してる間、ほっとらかしにできるし。

 マクロビオティクスとか、陰陽調和とか、難しくてよくわかりませんが、要するに、自然の移り変わりの中で体が欲するものをおいしくいただきましょうってことですね。
 
 婦人科の先生から、下半身が冷えるなどの時には根菜類をたくさん食べてねって言われていたのは、こういうことなんですね。たぶん、英国に来てからすごく冷えるので、体がほしがっていたんでしょう。

 まだまだお鍋にたっぷり残っているので、明日はトマト缶で煮込んでみることにします!

おいしい野菜が食べたい!

 日本にいた時に比べて、かなり頻繁に体が「野菜」を要求する。
 時々、鶏肉やベーコンなんかと大量に野菜を煮込んだりして、おなか一杯になるまで野菜を食べる。

 でもねー、なんとなく、お野菜がおいしくないのです。野菜臭くないのです。

 自分の育ったところでも、あるいは仕事で勤めていたところも、その地域で採れた野菜や果物を手に入れることができた。 もちろん、自分の庭でもトマトくらいなら作れちゃう。

 地場の野菜のいいところは「野菜くささ」があること。 トマトはトマトらしい、キュウリはキュウリらしい味がする。 葉物も根菜類も、畑の横にある直売店などで、しかも手ごろな値段で手に入れられることが、どんなにありがたいことなのか、英国にきてよーく分かった。

 日本の関東地域のちょっと山あいに行けば、腐葉土のたっぷり入った、ミミズのたくさんいそうな畑がたくさんある。 長い時間をかけて、お百姓さんと自然 が作り上げた土。 日本の高い湿度のおかげで、落ち葉が腐り、カビや微生物などが一生懸命(?)働いて、おいしい野菜やお米を作るための養分を作ってくれている。 こうした養分って、お野菜の味をすごく左右すると思う。化学肥料じゃなくて、自然と時間と労力で作った土からとれるお野菜は、本当においしい。

 Manchesterの北部に行けば畑を借りて自分で育てることもできるらしいが、ちょっとそこまではできそうにない。(こっちに長く住めると決まったら、間違いなくお百姓さんみたいに道具を揃えてやりたいもんだが。。)それに、土があまり肥沃ではないような感じがする。落ち葉が腐っていないんだもの。さらに言うなら、育てても、日本のキュウリやナス、トマトといった味は、種を持ち込まない限り、おそらく出せないんじゃないだろうか。

 移動手段は公共交通機関と歩きのみのために、なかなか郊外に出てまで野菜を買いに行くこともできない。このために、近くのスーパーで買うことが多い。どこで採れた野菜なのか表示があるわけでもなく、どれもピカピカの形のそろった野菜で、ほとんどがプラスチック容器やビニールに小分けされている。キュウリが1本ごとにラップで包まれているのには、正直驚いた。まだ、過剰包装が問題になる前の日本のスーパーのよう。

 時々、中東地域の食材を扱っている大きなスーパーに行くと、香辛料や香味野菜と一緒にお野菜が山積みになっている。 ニンニクやショウガ、玉ねぎ、それに果物は、この店の方がはるかにおいしい。自分で必要な量だけ袋に詰める事ができるので、ニンジン数本に玉ねぎ2個とマッシュルームをいくつか、なんていう買い方もできる。

 今日も体が「野菜がほしいです」と訴えているので、新しい料理方法を試してみることにした。出来栄えは、次のページで!

03 February 2008

Management and Governance in Healthcare Organisations - Course Unit

 第2タームに入って最初のモジュールは、Management と Governanceについてです。 このGovernanceっていうのが、いま一ついい日本語がないなぁって思ってるんですけど、管理方法というんでしょうかねぇ。

 Clinical Governanceっていうのは、NHSの考え方の根幹をなすほどのものなので、楽しみにしています。

コースの目的は、
  1. 医療システムの組織、あるいはそのオーナーシップについて理解を深め、検証する。
  2. 医療サービスの提供や変更において、問題となっていることを理解する。
  3. 医療機関における管理体制や、戦略的開発、制御体制などについて詳細にわたって理解する。
コースのアウトラインとしては、
  1. 医療サービス&システム:3つの機関(Primary, Secondary and Tertiary care)の相互関係
  2. 医療機関の管理や調整に関するさまざまなモデル(For-profit, not- for -profit, government funded, agencies)
  3. 医療システムにおける管理:権力の分散
  4. サービス提供者や管理者の役割とその将来に向けた発展
  5. 医療機関への管理体制の導入(臨床および実務)
  6. 医療機関やシステムにおける制御
  7. マネジメントとガバナンスにおける、マネージャーと医療者の役割
  8. 戦略的マネジメントとビジネスプラン
  9. 戦略的変化の管理:医療サービスと医療機関の組み合わせ
参考文献は、
  • Baggott, R. (2004). Health and Health Care in Britain, 3rd edition, Basingstoke: Palgrave Macmillan.
  • Cornforth, C. (ed.) (2005). The Governance of Public and Non-profit Organisations, London: Routledge.
  • Drucker, P. (2006). Managing the Non-profit Organization, London: Harper Collins.
  • Ferlie, E., Lynn Jr., L. E. and Pollitt, C. (2005). The Oxford Handbook of Public Management, Oxford: Oxford University Press.
  • Gray, A. and Harrison, S. (eds.) (2004). Governing Medicine - Theory and Practice, Maidenhead: Open University Press.
  • Johnson, G. and Scholes, K. (2006). Exploring Corporate Strategy - Text and Cases, Enhance Media edition, 7th edition, Harlow: Financial Times - Prentice Hall.
  • Peckham, S. and Exworthy, M. (2003). Primary Care in the UK, Basingstoke: Palgrave Macmillan.
  • Maynard, A. (ed.) (2005). The Public-Private Mix for Health, Oxford: Radcliffe Publishing.
  • Walshe, K. (2003). Regulating Healthcare - A Prescription for Improvement, Maidenhead: Open University Press.
  • Walshe, K. and Smith, J. (eds.) (2006). Healthcare Management, Maidenhead: Open University Press.
 
 第1タームに「医療政策」、「医療サービスと質の改善」と学んできて、今度は「医療システム全体の運営方法」について学ぶということになります。

 日本では、株式会社による医療機関の運営(麻生病院や亀田病院はかなりそれに近いんじゃないかと思いますが)は今のところ解禁されていませんが、特にインドでは、国による医療体制の整備がとてもじゃないけど追い付かないということで、For-profitによるPrivate Hospitalをじゃんじゃん作り始めているということです。
 英国でも、おそらく数年以内に、Virgin group(航空、鉄道、エンターテイメント、通信業など)やTesco(スーパーマーケット)が医療サービスへ乗り込んでくるだろうと見込まれています。 おそらく医療スタッフの人件費は、相当低く抑えられるだろうと予想されているようです。 そのうち、Tesco Hospitalだのがでてくるということで、高血圧で受診してもTesco Pointが貯まる!なんてことになるんでしょうか、、あるいは、Pointで予防接種サービスとか。

 株式会社が医療を行える米国でも、For-profitの医療機関のシェアはさほど大きくなく15%前後です。 多くは、富裕層をターゲットにした医療を提供しており、まだまだNot-for-profitの占める割合が多いですね。 あとは、キリスト教などの教会といったチャリティー団体が医療を提供しているケースが多いということもあるかもしれません。 ここは、日本とは少し違いますね。

 各国の医療機関の分類と患者のアクセシビリティについて話が出たときに、やっぱり日本の状況は「かなり」特殊だということがわかりました。 
 多くの国では、高度医療機関(Tertiary care:臓器移植、心臓手術、高度外科手術など)を受診するにはPrimary あるいはSecondary からの紹介が必要になりますが、日本はそこをすっ飛ばして、患者さん自身が判断をして受診することができますから。いい面もあれば悪い面もあるでしょうね。

 中東(サウジ・アラビア、クウェート)では、質管理体制や医療保険体制などとも絡んで2次と3次の区別をかなり厳密に線引きをしているようです。日本は少し曖昧さがあるかもしれません。 
 日本では、「同じクリニックで診療をしていて、勉強をした専門医の治療と一般医の治療で、医療保険の点数(値段)が一緒なのはおかしい」という議論もあるようですが、そもそも、Primary careのレベルに臓器専門医(神経内科や循環器内科医など)がいること自体が他国では特殊な状況なので、その段階ごとにコストが決められているという視点から見ると、ごく当たり前になります。 
 Primary Careにはそれを専門としたGeneral Practitioner(GP)が育成されていることが前提となり、専門医はSeconary, Tertiary careでの医療に専念しています。時にPrimary Care Clinicに専門医外来という形で診療を行うことがあっても、あくまでGPからの紹介という形がとられているようです。
 
 日本のように、専門医資格を取った医師が開業したり、Primary careを提供しているということをクラスで話をすると「何で専門医になってるのに、GPと同じようなことをするの?というか、トレーニング受けてないでしょ?」という、「いやぁーごもっともなんですけどねぇ」という意見が出されます。 彼らにすると、「予想外」の展開のようです。 何しろ、日本の医療は「世界一の水準」ですから。
 しかし、Primary careのトレーニングを受けないで開業することは、医療のアウトカム(経済的、疫学的など)に負の影響をもたらしているのか? うーん、どうなんでしょうか? 知りたいですねぇ。

 きっちりレベルを分けたり、医者の専門性を分けたりするのと、なんとなく担当が決まっているという方法と、どちらの方が「いい医療システム」なのか?
 そもそも、そのシステムを支える人的資源のどんな資質が重要なのか。

 この辺のことを考えながら、授業を受けていきたいと思います。